バーチャファイター20周年だそうなので、思い出を語る。

バーチャファイター20周年記念の特設ウェブサイトというのが出来たそうです。
バーチャファイター20周年記念特設ウェブサイト

そう、今年の12月でバーチャファイターが20周年なんですよ。そりゃ私も年取ったわけだ(笑)
私はそれ程バーチャファイターが好きではないのですが、その登場は非常に衝撃的で今でも当時の事を鮮明に覚えています。という事で当時の思い出を語ります。

写真で見た時の印象は、正直良くなかった

1993年。当時は3Dポリゴンを用いたグラフィックがゲームに登場し始めた時期でした。
セガのバーチャレーシング、任天堂のスターフォックスなど。
そして当時はストIIの全盛期。ゲーセンは格闘ゲームばかりになってきていた時期でした。
なので私は「そのうちどっかがポリゴンの格闘ゲームを作るんじゃないかな」と漠然と思っていました。
そして本当に出た。それがバーチャファイター。

初めてその存在を知ったのは雑誌の記事でした。
「これはないだろう」
というのが最初の私の感想。

当時のポリゴンというのはまだテクスチャーマッピングすら使われておらず、生ポリゴンの「箱」でした。
バーチャレーシングもスターフォックスもそうで、「立体」ではあるけど「リアル」ではないとでも言えばいいのかな、そんな感じでした。
だからどこかがそのうちポリゴンの格闘ゲームを作ったとしても、見た目がこうなる事は分かっていたはずなんですが、実際に「人の形をした箱」なキャラクターの写真を見て、なんだか笑いすら出てきてしまったのですよ。
正直、プレイしてみたいとは思いませんでした。

動いてこそのリアルさ

しかし実際に動いている映像を見て、その印象は大きく変わりました。
初めて見たのはゲーセンではなく何かテレビ番組で紹介されていたのを見た。プレステやサターン、あと3DOにPC-FXと、「次世代ゲーム機」の特集だったか何だかで。
初めて見たバーチャファイターのグラフィックには本当に衝撃を受けました。雑誌の写真で見た時の「なんだこりゃ」な感じは吹き飛び、「スゴイ。リアルだ。」と感じました。
3Dだからカメラがズームしたり回ったりできる。動きが滑らかである。そんな「ストIIには無いリアルさ」というのをあの箱のようなキャラクターから感じたんですよね。

ストIIとは違う事に衝撃

程なくしてゲーセンにバーチャファイター入荷。そのゲーセンは1play50円のゲーセンだったのですが、バーチャだけは100円でした。
プレイして驚いたのがその操作感覚。
ストIIとはまるで別物。雑誌の記事でボタンが「ガード・パンチ・キック」の3つしかないのは分かっていましたが、予想以上にスト2と全然違う。これが2つ目の衝撃でした。

ストIIの後を追う形で当時は他社からも格闘ゲームが出てきてはいました。それらは文字通り「ストIIの後追い」で、言ってしまえばストIIをベースとして作られたものでした。

しかしバーチャは全然違った。

「1対1でパンチやキックで戦い、先に体力がなくなった方が負け」という基本的なルールこそ同じですが、飛び道具は無い。パンチやキックに弱中強のボタンは無いが、レバーとの組み合わせで色々な技が出せる。
しゃがみガードできない「中段攻撃」がある・・・などなど。
今思うと、本当に志が高いなと思います。
ポリゴンで格闘ゲームというだけでも前代未聞であったのに、単なるストIIのマネに甘んじる事なく全く別の作りで「対戦型格闘ゲーム」を新たに作りあげたわけですから。

前述のように「雑誌で見た時は笑っていたものの、実際に見たらそれは吹き飛んだ」わけですが、実際にプレイして新たな笑いもありました。
初代バーチャは表情の変化が無く、攻撃を喰らってもKOされても表情は変化無し。そしてKO時の「ケイ・オウ」という無機質なシステムボイスに、なんだかシュールな笑いを感じました。
勝利時にリング外でダウンしてしまうと、「WINNER」の表示の時にキャラクターがダウンしたまま(しかも表情そのまま)で、いつまで経っても次の試合が始まらないのにかなり笑った思い出があります。
本当に数分単位でそのままなんですよ。さんざん笑った後「これ店員呼んできたほうが良いかな?」と思った頃に次の試合が始まりました。

「10年早いんだよ」どころか20年

あの時バーチャをプレイしていたゲーセンはもうありません。
あれから20年。
いろいろと変わりましたよね。
長らく3D格闘の代表格であったバーチャファイターも、いつの間にか他の格闘ゲームにお株を取られてしまった感があります(なんて言うと怒られるかもしれませんが)。
デッドオアアライブ5にバーチャのキャラが出ると聞いた時、「おっ!!」と思ったものの、「今ではバーチャよりDOAの方がメジャーになってしまったのかな」という寂しさを感じました。
冒頭にも書いたように私はバーチャが好きではないのですが、ずっと「3D格闘の王者」であって欲しかったんですよね、その登場が衝撃的であったが為に。

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