レビュー:NECA ドッグ エイリアン(エイリアン シリーズ3)

シリーズ3は3種とも完全新規のフィギュアなので3種とも可動について書かないといけない。
という事で今回は1体づつレビューします。
※追記:ビショップとケインもレビューしました。
レビュー:NECA ビショップ
レビュー:NECA ケイン

まずは今回の3種の中で最も人気がありそう(独断)なドッグエイリアンから。

商品名:エイリアン/ 7インチ アクションフィギュア シリーズ3「ドッグエイリアン」
メーカー:NECA(ネカ)
キャラクター原作:映画「エイリアン3」

本体はシリーズ1シリーズ2のウォーリアー、ビッグチャップと同じく黒成型色の上から
ブラウンでのドライブラシという仕上げになっています。
ウォーリアーやビッグチャップはあくまでエッジを中心に色を乗せてあるという印象であったのに対し、今回のドッグエイリアンは全体にもっとしっかりブラウンが乗っていて、奥まった部分以外はブラウンという印象。
私はこのくらい全体にしっかりと色を乗せてくれたほうが好みです。
全体がブラックでエッジだけブラウンやブルーというのはちょっと変な感じがしなくもないので。

ビッグチャップやウォーリアーと比べると商品化の機会がやや少ない感のあるドッグエイリアン。実はドッグエイリアンの立体物を手にしたのは私はこれが初めてだったりします。
ビッグチャップのイメージを踏襲してはいるものの、他のエイリアンとは違う意匠が見られますね。
エイリアンはメカとも生物ともつかないデザインが特徴であり、もちろんドッグエイリアンもそうなのですが、ちょっとそのセンスが違うんですよね。

劇中では四つん這いで走っている姿ばかりが印象に残っていたので気がつかなかったのですが、こう直立させてまじまじと見てみると「エイリアン4」や「エイリアンvs.プレデター」のエイリアンと似ている部分が多い事に気が付きました。
その2作のエイリアンはウォーリアーやビッグチャップに比べて生物的な趣が強くなった感があったのですが、あれはドッグエイリアンを踏まえた上でのデザインだったのですねきっと。尻尾が長いのも共通しています。

「エイリアン2」のウォーリアーと比較


シリーズ2の青いウォーリアー(「エイリアン2」)と比較。
大きさは当然ながら同じくらいです。


シリーズ1のブラウンのウォーリアー(「エイリアン2」)と比較。
ウォーリアーのブラウンよりもドッグエイリアンのブラウンの方がやや赤みの強い色になっています。

各部について

頭部


頭のフードはビッグチャップ同様、ややツヤ消し気味で柔らかい透明な材質。厚みがあまりなく、かつ割れる心配もなさそうで非常に良いです。後頭部と正面付近だけブラックで塗装されています。

首周りはウォーリアーやビッグチャップと異なり、メカっぽいイメージよりも生物的なデザインで、「エイリアン4」や「エイリアンvsプレデター」のエイリアンに近いデザイン。


ドッグエイリアンも口が開いてインナーマウスが出ます。

これはウォーリアーやビッグチャップでもあったギミックですが、今回のドッグエイリアンの頭部はそれらよりも進化している部分があります。
まずは顎のロック機構。今回のドッグエイリアンはしっかりと口を閉じた状態を保持出来るようになっています。

顎の中心を首のパーツが通っていますよね。


口を閉じるとここがカチっとはまるようにになっており、ここでロックが掛かるようになっています。
ウォーリアーやビッグチャップのように口がカタカタしてしまうことがありません。

このロック機構でちょっと注意点が。
まあ注意点と言う程でもないのですが。

口をいっぱいに開けた状態です。思いっきり顎が外れてます(笑)
口の両側に腱のような部分がありますよね。赤丸で囲んだ部分。
そのまま口を閉じるとここが中で潰されて盛大に外側に曲がってしまいます。まあPVCで柔らかいので破損する事はないのですけど、曲げグセがついてしまうかも。


そこで口を閉じる時は、この腱の部分を内側に押し曲げてから閉じるようにした方が良いと思います。

もう一つの進化した点が首の可動です。
首の根元に前後可動が入り、首と頭部の間の関節もウォーリアーやビッグチャップに比べて前後の可動範囲が向上しました。


前後というか上下にここまで可動します。


左右の可動はここまでで、ウォーリアーやビッグチャップに比べるとやや劣ります。しかし前述のように首の根元は前後可動のみで左右可動がなく、首と頭部の間の関節だけで左右を向く都合、これ以上動いても見た目が不自然になるので充分だと思います。

そしてこの首の可動の素晴らしい点が、余計な隙間が無い事です。

先ほどと同じ画像ですけど、首と頭部の間には余計な隙間がほとんどありません。
可動を仕込むのが難しそうな生物的デザインながら、うまく可動を仕込んでいますね。構造的には、バンダイのS.H.モンスターアーツで出たAVPのエイリアン ウォーリアー(レビューしていませんけど)に近いですね。

胴体


腰はもちろんボールジョイント可動。左右はこのくらいの可動範囲。


前後はこのくらいの可動範囲となっています。充分な可動範囲です。


腕を横に広げるのはここまで。ウォーリアーやビッグチャップと同じ程度。


肘は2重関節となっており、ウォーリアーに比べると若干劣りますが充分によく曲がります。


手首の根元にはヒンジがあり、画像のように可動出来ます。
画像は左手ですが左右で微妙に可動範囲が違うようで、右手は下方向の可動がやや狭いです。


冒頭に書いたように他のエイリアンとはちょっとセンスが違う意匠が見えるドッグエイリアン。この上腕のデザインなんかまさにそれで、丸いスジ彫りがあってメカニカルな趣。
確かビッグチャップの元になったギーガーの絵の一つにもこんな雰囲気のがあったように記憶しています。エイリアン以外のギーガーのデザインに近いものを感じますね。

脚部

まず股関節

股関節は最近のNECAでは定番となった感のある球体状の関節。股関節をハの字に開くのはこのくらいが限界です。

この股関節なんですが、気になった点が2つあります。
まず1つ目。
画像の関節部分を見て何かお気づきになりませんか?
向かって右、つまり左足側だけ関節の中心に円が見えます。ハの字に開く可動の軸が見えているわけです。


これは後ろから撮った画像。向かって左が左足です。
そう、どちら側から見ても左足側の関節だけは軸が見えていて、右足側は前後どちらも軸が見えていない!!


どうなっているんだ、と関節を下から見てみると、ハの字に開く可動部分の幅が左右で違っています。
どうやら外形だけは同じだけど、左右が違う関節パーツのようです。

続いて気になった点2つ目。
実は写真撮る前に直してしまったので文章だけで恐縮なのですが、この股関節、最初は右足側だけ股間部分に深く差さっていて、左足側だけ差し方が甘かった。
つまり左右で太ももと股間部分の間の距離が違ってしまっていたのです。これがたまたま私のがそうだっただけなのか、あるいは仕様なのかはやっぱり分かりません。ドライヤーで温めて左足側の関節を引っ張り出し、逆に右は少し押し込んで直しました。

※追記
この股関節、実はこういう構造になっています。


このため、左右で股間ブロックへの差し方が違っていたと思ったのです。またこの構造上、片方の股関節だけを持って回転させると反対側も回ってしまうという現象が起こりますが、片方の脚を押さえて動かせば特に問題ありません。

何でこんな構造なのか?と最初は不思議に思ったのですが、股間部分は左右の幅が広くはないパーツなので、普通に考えたら左右両方のジョイントの軸を差すスペースなんて無いのですよ。球体ジョイントは構造上、接続は穴ではなく軸にしか出来ないので、こういう工夫がなされているのだと思います。
ちなみにこのエイリアンシリーズ2以前のNECAのフィギュアの股関節は球体ジョイントでもちょっと構造が違ったのですが、股間ブロックが割れやすい・保持力が足りないという欠点があったためか、この新しい構造になったのだと思います。


脚はビッグチャップやウォーリアーと違って逆関節なのが特徴的。
太ももも骨を思わせるようなデザインで、脚もやはりメカというより生物的な趣の強いデザイン。どちらも「エイリアン4」や「AVP」のエイリアンに繋がるイメージです。


さてその逆関節の脚、可動はどうなるのかと思っていましたがきちんと全ての関節が動きます。
脚が細いだけあって関節も細いので保持力はやや弱いですが、どの道体型からして尻尾で支えずに自立は難しいと思うので問題ないと思います。


脚を真っ直ぐ伸ばすとこのくらいの身長になります。


足首は曲げ伸ばしだけでなく根元で回転可動もあり。足裏は何かボコっと出っ張っているデザイン。肉球?


きちんと接地が可能です。

尻尾


他のエイリアンと違って四角い節からなるデザイン。もちろんベンダブル仕様。太いのでちょっと曲げ難いですが自由自在に可動します。

付属品 スタンド

実はドッグエイリアンには一つだけ付属品があり。

それがこのスタンドなのですが、イマイチ使い道が分かりません。


何とこんなに小さいというか低い。


こんな感じで飾るためのものですかね?

総評

ウォーリアーに負けず劣らずの可動範囲で今回もよく可動。どうなるかと思っていた逆関節の脚も非常に良く動きますし、首や
口の可動が今までより良くなっていたのも好ポイント。今後エイリアン4やAVPのエイリアンが出るとしても安心かな、という感じです。
※追記
後にNECAからエイリアン4ウォーリアーAVPのエイリアンもフィギュア化されましたが、ドッグに負けずに良い出来です。

しいて惜しい部分を挙げると首の可動。もっと上まで向く事が出来てほしかったですね。
ドッグエイリアンは四つん這いで走り回る姿が印象的ですが、残念ながらそれが出来る程まで頭を上に向ける事が出来ない。
見た目との兼ね合いを考えるとなかなか難しいとは思いますが。
あとさらに欲を言えば、肩関節も関節部分でロール可動があるとなお良いですね。要はfigmaとかリボルテックみたいに、関節パーツと上腕との接続部分で回転出来るようにして欲しい。
それが出来ればもう本当に日本のメーカーと同じレベルの可動範囲になりますね。

でもしいて言えばそのくらいで、相変わらずエイリアンはNECAにしては良く可動するフィギュアに仕上がっていますのでオススメ。

それにしても、股関節はちょっと謎ですね(笑)
まあこういう事があるのがアメトイだよな、なんて思っていますが。

以上、NECAのドッグエイリアンのレビューでした。

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レビュー:NECA ドッグ エイリアン(エイリアン シリーズ3)」への2件のフィードバック

    1. EAST-COW 投稿作成者

      ブログ管理人です。

      四つ足だとまず倒れる事は無いので、スタンドは必要無いと思います。
      このスタンド、直立で飾る際に股間の下に置く形で使うものかもしれないと今になって思っています。ドッグエイリアンは膝が2か所ある上に足裏が膨らんでいて、尻尾を使って三点自立させずに二本足だけで自立するのは他のエイリアンより厳しいからです。

      実はスタンドを紛失してしまったので、本当にそういう使い方が出来るかを確認出来ないです。すみません。

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