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2/26に発売となりました、TVアニメ版ラブライブのムックを読んだ感想です。
ラブライブが好きならこれは買い。非常に充実した内容の1冊。
この本は帯に「キャストxスタッフxファン みんなで作るアニメ本」と書かれている通り、μ’sの9人を演じる声優へのアンケート、電撃G’sマガジン誌上で行われたファンからのアンケートがメインのコンテンツとなっています。アニメのムックでよくあるようなストーリーダイジェストあるいは設定資料集という側面はかなり薄いです。
各項目ごとに概要と感想を。
各キャララクターの「μ’sが選ぶ名シーン」「ファンが選んだ名シーン」
この本の6割~7割を占めているのがこれ。キャラクターのプロフィールと解説が2ページ。その後「μ’sが選ぶ○○○(キャラ名)の名シーン」と題して、9人の声優が選んだ、そのキャラの名シーンの写真と声優からのコメント。これが6ページ。その後「ファンが選んだ名シーン」として電撃G’s上で募集されたアンケートのコメント。これが2ページという構成。これが9キャラ分あります。つまり計90ページ。
「ラブライブ」というアニメのキャラの立ち方を再認識
さてこの名シーンですが、全体的に結構偏っています。「ファンが選んだ名シーン」はそもそも送られてきたアンケートの回答全てが掲載されているわけではないと思うのでそこは考えないにしても、声優が挙げている名シーンは結構偏りがち。
まあ確かにこのキャラで印象的な場面を一つ選べ、と言われたらやっぱりそれになるよな、という感じはあります。例えば凛ちゃんとか、やっぱりそこになるよね・・・。
あと声優が選ぶ名シーンは、そのキャラと、声優自身が演じているキャラが絡む場面が上げられている事が多い傾向。これもまあ、仕方が無いかなやっぱり。
その一方で、え、そこ?と意外に思うチョイスもチラホラ。そういうチョイスの場面はコメントも面白い。声優の個性と言うか人間性が出ている感じがします。
「ファンが選んだ名シーン」にも少数意見がチラホラ載っていまして、少数意見とは言っても全く納得出来ないわけではなく、言われてみれば確かに印象には残っている。そんな風に感じます。
やっぱり「ラブライブ!」って印象に残る場面が非常に多い。一番印象に残っているシーンは?と聞かれたらやはり物語上重要な場面になるとは思うのですが、それ以外も印象深い。しっかりキャラクターが立っている・描かれているアニメだな、と再認識しますね。
「μ’sが選ぶTVアニメの歌」「ファンが選ぶTVアニメの歌」
「μ’sが選ぶTVアニメの歌」が5ページ(内1ページは曲のクレジット)「ファンが選ぶTVアニメの歌」は1ページのみ。
「ファンが選ぶ~」の方はページ数が少なすぎると思います。TVシリーズで流れた歌は19曲あるのに、10曲しか挙げられていないし、そのほとんどは1曲に付き1コメントしか載っていない。キャラの名シーンのように2ページくらい欲しかったですね。
声優が選ぶ曲と、ファンが選ぶ曲とで票の集まり方がだいぶ違うのが面白いところ。
「μ’sが選ぶTVアニメの衣装」「ファンが選ぶTVアニメの衣装」
次は衣装。
「μ’sが選ぶ~」が5ページ、「ファンが選ぶ~」は1ページのみ。ここもやはり後者はもう少しページが欲しかったところ。
内田彩の選んだ衣装のコメントを見て驚きました。え、あの衣装ってそうだったの?初めて知りました。でも言われてみれば、穂乃果とことりちゃんの衣装がこの色なのはあの衣装とこの衣装だけですね、そういえば。
イラストギャラリー
ここは数少ない資料的なページ。
Blu-Rayのジャケットと裏面のイラスト、そしてBlu-Ray全巻購入特典のイラストが収録。
SCHOOL IDOL STYLE
TVシリーズに登場した全てのライブ衣装集。
「僕らは今のなかで」と「それは僕たちの奇跡」はグッズなどでよく使われるあのイラスト。他は設定画かな?
スタッフインタビュー
京極尚彦、花田十輝、西田亜沙子、室田雄平、畑亜貴、藤澤慶昌の6名へのインタビュー。インタビュー内容はアニメ製作時の事が多いのですが、ここでも「印象に残っている場面」「気に入っている歌」といった質問あり。「アニメの楽曲で」と質問されているのにアニメ未登場の歌を挙げてしまう畑亜貴氏にちょっと笑う。
室田氏のインタビューは何かこう全体的にアツくて、氏のラブライブに対する思い入れがにじみ出ていますね。あと花田氏の「手ごたえを感じた時」にすごく納得。確かにあの場面はそうだと思います。これって非常に大事なポイントで、展開が予定調和で見えてしまってもダメだし、かといって全く唐突で予想外でもダメですから。
惜しいと思ったところ
劇場版も含めて1冊でやって欲しかった
まずこの本で惜しいというか「何で?」と思うのが、TVシリーズのみだというところ。つまり劇場版は含んでいません。昨年に劇場版が公開されアニメ「ラブライブ!」は完結となったこのタイミングで出た本なのに。実は帯の部分の記載によると3月に劇場版の本が出るとの事。(※追記:結局、劇場版のファンブックは翌年2017年の1月末に発売となりました。⇒劇場版オフィシャルBOOK 感想)
劇場版の本がどんな内容なのかまだ分からないのですが、劇場版だけを対象としてこの本と同じような事は出来ないと思うのですよね。そもそも1時間半くらいの長さしかない劇場版で「各キャラの名シーン」とか「印象に残っている歌」って言われてもそもそも選択肢が少ないわけでやる意味があまりあるようには思えない。歌なんて7曲しかないし(笑)
設定資料的なものも入れて欲しかった
声優、ファン、スタッフへのインタビューやアンケートを中心に据えた構成は良いのですが、設定資料的なものももっと入れて欲しかった。アニメ版「ラブライブ!」についてこういったムックが出るのってもう無いだろうと思うので。
設定資料というよりも、μ’s以外のキャラにももう少しスポットを当てて欲しい。雪穂や亜里沙、特にA-RISEはもう少し扱ってくれても・・という感じがします。劇場版も含めてくれればA-RISEももう少し取り上げてもらえたかも。
総評
TVシリーズのみ、というところがちょっと納得いかない感じはあるのですが、それを差し引いても充実の内容。
160ページオールカラーで2000円というのも安いですし、内容もインタビューやアンケートがメインという構成が素晴らしい。せっかく本を1冊出すのなら、アニメ見ていれば必要のないような内容(ストーリーダイジェストとか)よりもこういう内容が好ましいです。
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