BATSUGUN-TRUTH STORY BATSUGUN-: COMIC MUSIC CD MAKING 新品価格 |
9月8日に発売された「BATSUGUN~TRUTH STORY BATSUGUN~」の感想です。
オリジナルである漫画は「ゲーム必勝ガイド」連載分については当時読んでいましたが、「SKULL HORNETS」などの同人誌掲載分については未読。流石に「ゲーム必勝ガイド」は手元に現存していないので正確な比較は出来ていませんのであしからず。
サントラは雑誌の付録みたいな形で入っています
付属のサントラCDはきちんとしたケースに入っているのではなく、よく雑誌の付録であるような紙の薄いパックに入って裏表紙の裏に付いています。
私は「東亜プラン シューティング クロニクル」を持っていてBATSUGUNのサントラは既にあるので、この紙パックだと無理に開けなくても良いかな、なんていう気も(笑)
23年越しの完結・・・ではない
実際に手にして読むまで私は気が付いていなかったのですが、この本でBATSUGUNの漫画が完結するわけではありません。(かと言って続きが発表されるかどうかも分かりません。)
表紙の帯の部分を良く見てください。”未完のSTAGE3ついに完結”となっています。
どうも同人誌で描かれはしたけど未完のままになっていたらしいSTAGE3が完結するところまで新規に描き起こされて収録という内容なんです。この物語の各章「STAGE」はゲームのステージと同じ。つまりゲームで言うと3面が終わるところまでしか無いのです。
てっきり物語完結するところまで描き起こされているのかと勘違いした人、私だけではないと思います。
内容及び感想
本の内容の概要と、その感想です。
カラーページ(15ページ)
最初に表紙イラストの文字無し版、残りはゲームのメインビジュアルや「ゲーム必勝ガイド」の連載開始告知ページのイラスト、ゲーメストなどに当時掲載された各種公式イラスト、サントラ掲載のイラスト、そして同人誌の表紙イラストも収録。
その後に原作ゲームの軽い解説(本当に軽い紹介)が1ページ、ゲームのインストカード、自機とキャラクターの紹介(ここの絵も当時に描かれたイラスト)、最後に各キャラクターの相関図となっています。
とにかく懐かしいの一言です。
メインビジュアルはともかく、「この絵どこかで見たな」「こんな絵あったな」と見るまで完全に忘れていた記憶が蘇りました。「ゲーム必勝ガイド」の連載開始告知ページのイラストなんて特に感慨深い。
同人誌「シューティング必勝ガイド」表紙のアルティーノのイラストに何かすごくグっとくる(笑)
表紙の帯にある今の井上淳哉の描いたアルティーノより、断然こっちが良い。ちょっと時代を感じる絵が何かイイんですよね・・なんて感じるのはもう歳なのか(笑)
漫画本編(118ページ)
当然ながらメインコンテンツである部分。
新規に描き起こされたのは終わりの35ページという事みたいです。1話の前に「ゲーム必勝ガイド」連載時には無かったプロローグ的なものがあるのですが、絵柄からして今回の描き起こしではないようなので、おそらくは同人誌で描かれたものなんだと思います。
○セリフは全編に渡って修正されています
冒頭で書きましたように私は同人誌の方は未読なのでSTAGE2以降についてはオリジナル版との相違は分かりませんし、「ゲーム必勝ガイド」本誌も手元に現存していませんので、STAGE1についても正確な比較は出来ません。が、うろ覚えな記憶との比較ですけどセリフはかなり変わっています。
1話で海中基地から連絡が入る場面で、本誌連載では確か「ロストベース」と呼ばれていて通信の後”誰も気付かんとはまさにロストベースだな”みたいなセリフがあったのですが、この呼び名は無くなっています。あとその通信の時に”肝心のパイロットが私1人しかいない”というセリフがあったのですがこれも変わっていますね。
本誌ではジーノはロムの事を終始「ジジイ」呼ばわりしていましたが、ジジイとは言わなくなっています。とは言えもちろんセリフは変っても絵は同じ(修正がされてはいるらしいのですが)なので、2人が最初に顔を会わせる場面で小バカにはしていますけど。その場面でロムが”プロペラ機を自在に乗り回し、フライングシャークと皆から言われたものじゃ”みたいなセリフがあった(「飛翔鮫」の自機のパイロットがロムなんじゃないかと匂わせている)のですが、これも変ってしまっていました。
セリフについては変えないで欲しかったですね。あの時のままで収録して欲しかった。思い入れ補正もあるとは思いますけど、オリジナルのセリフの方が良かったと感じます。
○STAGE2 STAGE3
同人誌未読の私にとっては今回初めて読んだ部分です。
STAGE1は前半は主人公達が自機に乗り込むまで、後半は敵艦隊との戦闘から1ボス撃破(つまりゲームでのステージ1)と、ゲームのステージにストーリーを肉付けしている感じでしたが、STAGE2はゲームだと背景で通過するだけの基地が舞台となっており、原作ゲームの印象からは遠くなった印象。とは言え、ゲームで印象的なアレを物語の盛り上がる場面として入れてきたのは感心。STAGE2も後半はゲームと同じく2ボスとの対決となりますし、ここも物語が盛り上がる場面。
で、STAGE3はかなりゲームとは離れた展開に。一応舞台こそゲームのステージ3のあの辺なんだろうなくらいの感じはありますが、ゲームの敵キャラはちっとも出てこない。物語の内容もキャラについて掘り下げるのが主軸です。
でもこれは漫画としては正解だと思います。ゲームはSTGなんで各ステージとも敵を撃墜して進んでボスを倒して終わりですから、漫画にしたらワンパターンにしかならない。漫画の主人公は自機ではなくてキャラクターですからこれで良いと思います。
特に敵の親玉であるグレイドバランについてもキャラクターが掘り下げられているのと、主人公達と協力する人々の件は、舞台設定や物語に奥行きを持たせていて良いと思いました。
○STAGE3の新規描きおろし部分
発売前に描きおろしページについては数ページ公開されていましたので、それを見た時点で分かってはいたのですがやっぱり当時の絵とは大分タッチが違ってしまっている。かなり浮いています。デススマイルズとデススマイルズIIの違いどころではない(笑)同人誌の部分ですら10年前なのですから仕方ないと言えば仕方ないのですが。
ただどうにも描きおろし部分の方が絵が下手だと思えて仕方が無い。絵に重厚感が無く、何より絵に動きの迫力やスピードが感じられない。
MAKING OF BATSUGUN
IKD、井上淳哉、開発チームのリーダーだった人、の3名による座談会。写真はありますが3名とも顔は伏せられています。リーダーだったという方はともかく、他2名はもうあちこちで顔出しているだろうに。特にIKDなんて・・(笑)
こういう開発の裏話って面白いですね、やっぱり。開発開始当時にヒットしていた他社のゲームからの影響とか。あとかつて「ゲーム必勝ガイド」の開発者インタビューでも言っていたボツになったタイトル案とか。
でも「スペシャルver.」については一言も触れられていませんでした。あれってサターン版に収録はされていますし、ゲーセンでも結構見かけたと思うのですが、正式に発売されたものなのかどうなのかよく分からないとか言われていますよね。「スペシャルver.」についても触れて欲しかった。触れてはいけない理由でもあるのだろうか(笑)
BONUS ARTICLE
新声社の「ゲーパロ4コマグランプリ」掲載の4コマ漫画4つと、同人誌に掲載されていた井上淳哉によるコラムが収録。4コマ漫画の方は見た覚えが有りますね、そういえば。
総評
よくぞ出してくれたという思いはあるのですが、率直に言うと中途半端。
やるのならきちんとSTAGE5まで完結させる形で出して欲しい。それが無理だと言うのなら、素直に新規描きおろし部分なんて無しでそのまま本にしてくれた方が良かった。セリフの修正なんてする必要無かったと思いますし、タッチが違う上に当時の絵より下手な新規描きおろし部分なんて、STAGE5完結まであるのならまだ許せますがSTAGE3までしかないのなら無い方が良かったですよ。
それだと終わり方としてはかなり中途半端になってしまいますけど、新規描きおろしのSTAGE3の終わりも結局中途半端なんですよ。物語の続きが気になる終わり方なので。
もし今後STAGE4以降が描かれて完結する事があるのなら、また感じ方は変るかもしれませんが、現時点ではそんな予定は無いようですし中途半端といわざるを得ないです。
とは言え、価格に見合わないかと言うとそんな事はないと感じます。特にBATSUGUNのサントラを持っていない方ならなおさら。私は「東亜プラン シューティング クロニクル」を持っているので、サントラは必要無いのですけど、それでも高いとは感じません。内容にガッカリする部分はありましたけど、それでもあのBATSUGUNの漫画がこうやって本になったのは感慨深いですし、当時のイラストもしっかり収録されているし開発者の座談会も興味深い。
願わくば、STAGE4以降が描かれる事があって欲しい。何なら続編としてアウトゾーンもやっていいぞ(笑)
以上、徳間書店「BATSUGUN~TRUTH STORY BATSUGUN~」の感想でした。
アウトゾーンは漫画映えしそうですよねぇ
というかタイトル画面のおっさんが硬派すぎて惚れてしまうわ
ブログ管理人です。
まさかそこにコメントもらうとは思いませんでした(笑)
まあアウトゾーンの漫画化なんて流石に無いだろうと思いますけどね。