レビュー:メタルギア ライジング 感想その2

メタルギア ライジング リベンジェンスの感想の続きです。
※前回はこちら↓
メタルギアライジングリベンジェンス レビューその1

前回と今回の2回で終わりにするつもりでしたが、まだ書きたい事があります。ひょっとしたらもう1回書くかも。(発売から結構経過しているので、もういいかな、という気もしてはいますが。)

今回は主に良くない点・ダメな点を中心に書きます。

・・・とその前に、前回書き忘れた事を書きます。エンディングまでの短さについて。

「短い」と言われがちですが・・・

最初から最後まで、大体5時間くらいで終わります。ただ、これはクリアした時のプレイ時間での話。どういう事かと言うと、ゲームオーバーになった時のプレイ時間はカウントされていないと言う事。
例えばチェックポイントから3分後にゲームオーバーになった場合、この3分はプレイ時間にカウントされてません。クリアして次のチェックポイントまで行って初めてカウントされるんですね。なので、本当に5時間で終わってしまうわけではありません。

まあしかし短いと言えば短いです。
ニンジャガイデン1や2に比べたらかなり短いですし、PSPのゴッドオブウォーの最初に出た方のヤツ「落日の悲愴曲 」と同じくらいの長さかな。

私自身の感想としてはむしろ中途半端に長いという感覚。
私としては、別に短くてもいいです、やりこむ余地がある、何度もプレイしたくなる内容ならば。ただ5時間というのは頭から終わりまで通して一気にプレイするには長すぎる。

詳細は後述しますが、このゲームには「いらない」と思った部分が結構あるのでこれを全部なくして2~3時間で終わるゲームにしてくれれば気負いせずに毎回最初から最後までプレイできるより良いゲームになったのに、と思います。

「メタルギア ライジング リベンジェンス」の良くないと感じるところ

ここからが本題、以下このゲームの良くないところです。なんだかボロクソに書いているように思えるかもしれませんが、前回も書いたように私はこのゲームを気に入っています。
それだけに、これらが無ければもっといいゲームだったのに・・・という気持ちで書いています。

カメラがダメ

これも「短い」と並んでよくレビューで指摘されている点ですね。
このゲームに限らず、この手のゲームでよく問題になる点です。私もニンジャガイデンで散々いらいらさせられた経験があります。
壁にカメラがめり込まないようになっているため、壁の近くでカメラを動かすと、向きたい方向の180度逆にカメラが急に移動してしまったり、急にカメラがズームしてしまったり、さらには主観視点になってしまったりします。

で、これが他のゲーム以上にこのゲームでは大問題。
このゲームのガードは、「攻撃してきた敵に向かって左スティックをいれて□ボタン」なので、勝手にカメラが動くと敵との位置関係が急に変わるため、ガードできなくなってしまうわけです。

ちょっと話が脱線しますけど、ニンジャガもそうですが、なんでこんなカメラの仕組みを良しとしてしまうんでしょうね?
「カメラを自分で操作しろ」という仕組みであるにも関わらず、勝手にカメラが動くというのは矛盾してます。なんでそんなに壁にめり込む事を嫌がるのか。別にめり込んで構わないと私は思うんですよ。
カメラがめり込んだオブジェクトは表示しないようにすればいいんじゃないの?というのは素人考えでしょうか。
壁の外側は地面を作らない、壁のある位置の地面は何か目立つ色にしておく。これでなんの問題も無いんじゃないかと思うんです。

特に、カメラが勝手に自キャラにスームして、主観視点になってしまうなんてのは何の解決にもなってない。
自キャラのすぐ後ろに常にカメラがあるTPSなら、主観視点になっても感覚はそう大差ないですし、攻撃も照準を合わせて撃つので支障はありません。が、自キャラの向きに関係なく客観視点で操作しているもの、しかも近接攻撃で闘うゲームを急に主観視点にされてまともに操作できるはずが無い。
敵の動き・攻撃だって、客観視点で見られている事を前提として作られている。何故それなのに主観視点になる事を良しとしているのか本当に理解に苦しみます。

話を戻して、このゲームのカメラには壁近くでの挙動以外にダメな点が3つあります。

・カメラの移動スピードが遅すぎる

スピードMAXでも遅いと私は思います。
当たり前なんですが、このゲームは常に右スティックに指を置いておける操作じゃありません。攻撃やジャンプは□や△や×なんですから、行動の合間合間に右スティックを動かすわけです。
なので、ほんの一瞬で瞬時に向きたい方を向ける、ぐらいであるべきだと思うんです。ニンジャガでも私は同じ事を思ったのですが、ニンジャガはカメラリセットボタンがあったのでまだましでした。
(ニンジャガはカメラリセットを押すと自キャラの真後ろにカメラが一瞬で移動してくれるので、自キャラの向きを変えてからこれを押す事で大きくカメラの向きを変えられました。リセット時のカメラの高さが低いのが難ありでしたけど。)

・カメラが動かせない時間の存在

斬撃モードで敵を倒し斬奪した後、自キャラが動かせるようになるまでカメラが動かせません。
動かせない間の自キャラは無敵ではありますが、このせいで警戒すべき敵を見ていられず、無敵が無くなった直後に攻撃を喰らってしまう事がしばしば。
さらに、「動かせるようになったらすぐに向こうにカメラを向けよう」と動かせない時間中に右スティックを倒しっ放しにしておくと・・・・自キャラが動かせるようになってもカメラが動きません。非常に煩わしいです。

・カメラの高さが勝手に変わってしまう

壁にぶつかる云々関係なく、自キャラの目線より高い位置にカメラを持ってきても、勝手に下がって目線ぐらいの高さに戻ってしまいます。この高さが見やすい人っているんですかねぇ?
手前のキャラが邪魔で見難い(というか後ろのキャラが見えない)と思うんですが。

演出のためだけに存在する場面がいらない

ゲーム性の全く無いか殆ど無い、ストーリーを見せるだけのための場面が非常に多いです。
初回プレイ時はまあ、見て楽しめない事もないですが、2回目のプレイからは邪魔でしかないです。

・ストーリーデモ

これはスタート押してスキップを選べば飛ばせるのでまあ良しというところ。(欲を言えば、ボタン押すだけで飛ばせて欲しい。さらに言えば、自動的に飛ばせるようにオプションで設定できると尚良いんだけど。)

・味方キャラとの無線通信

自キャラはゆっくり歩く事とカメラを動かすことしかできません・・が、これも△ボタンでセリフをスキップできるし、この間に次の場面を読み込んでいるのでまあ仕方なし。(欲を言えば、スキップがセリフ単位なのが煩わしいので、ボタン1回で全部飛ばせて欲しい。)

・いわゆるQTE

問題はここから。ゲームにとって邪魔でしかないとよく言われている(ように私には思える)アレです。

結論から言うと、このゲームのQTEはゲーム性のないただの作業です。
前回のレビューでゴッドオブウォーのQTEを引き合いに出しましたけど、あれは雑魚敵に限って言えば悪くない要素。
使わなくても倒せますし、求められるボタン操作はランダム要素があるのできちんと反応して操作しなくてはなりません。手ごわい大型雑魚をQTEまで持っていった時は緊張が走ります。

ところがこのゲームのQTEはどうか、というと・・・・
押すボタンは決まってますし、ボタンを押すまでの時間の猶予も長い。(だからと言ってボタン押す猶予時間をシビアにしたって面白くなんかならないですけど。)
そしてなにより、「やらない」という選択肢が無い。プレイヤーが操作するわけでもなく、行動に選択の余地も無いんですから、こんなもんただのデモにしてしまっても同じです。デモなら飛ばせるだけまだマシ。

・別のゲームになってしまう場面

QTEと同じくらい要らないのがコレ。3箇所あります。

・壁を走って降りながら攻撃を避けていく場面。(チャプター00)
左右の移動とスティック↓入力での減速しかできず、敵の攻撃パターンは決まっており非常につまらない。カメラが壁と言うか地面すれすれの位置が敵の攻撃が見難く、数回のミスでゲームオーバーになる。
憶えるまでは死ぬけど、憶えたらただの作業。典型的な「つまらない憶えゲー」だと思います

・壁を走って登りながら攻撃を避けていく場面。(チャプター04)
上記と操作・視点は同じ。こちらはワンミスでゲームオーバー。こちらも典型的な「つまらない憶えゲー」。

・敵の鳥型メカにのって飛んでいく場面(チャプター04)
「アフターバーナー」をやや右から見たような視点。上下左右の移動で障害物を避けていく。 障害物が見難く、ややよけ難い・・・が実は□ボタンで弾を撃って障害物を破壊できるため、動かずに弾撃っていればクリアできる。つまらない。(弾が撃てなかったとしてもつまらない事に変わりはないと思うけど。)

またちょっと話が脱線しますけど、こういう「別のゲームになる場面」てどんなゲームでも例外なくつまらないと思いませんか?
まあ面白くなるものならそれで1本別のゲーム作った方がいいだろうからつまらないのは必然なんじゃないかと思いますが。
何でこういうの入れるんだろうね。無い方がマシ。
どうしてもストーリーとして見せたいならデモでやって欲しい。そうすればつまらないものをプレイしなくて済むし、飛ばせるから。

・「別のゲーム」にはならないけどつまらない場面

・チャプター00の後半
最初のメタルギアRAY戦の後、走って敵を追いかけて行く場面がありますが、これは完全な一本道をただ走るだけの作業。
いちおうニンジャランのチュートリアルを兼ねているようなんですが、本編とは別にチュートリアルはVRミッションが用意されています。
なんで本編にまでこれを入れるのか?
この後メタルギアRAYとの2回目の対決があり、この後また敵を追って列車の上を走っていく場面があるのですが、これもまた一本道でただ走っていくだけ。

この後ライバルキャラ「サム」との対決になるのですが、これはいわゆる「負けイベント」ってヤツで絶対に勝てません。プレイする意味無し。
さらに悪い事に、サムと闘う→デモが入り雷電が右腕を切り落とされる→ゆっくり歩く事とゆっくり刀を振る事しかできない状態でサムと戦う→ダメージを喰らってダウンするとデモへ→ステージ終了という展開になっており、プレイする意味無し場面のオンパレード。
RAY倒したら後は全部デモにすればいいのに。

私はおそらく2度とチャプター0をプレイしません。

・チャプター3の終盤
ストーリー中、雷電は精神的に動揺し、上記のサム戦で腕を切り落とされた時同様、ゆっくり歩くとゆっくり刀を振るしかできなくなります。
これで目的地まで歩いて行くんですが、これがもうダルい。時間だけがかかる。目的地について体力がなくなるとサムが登場し会話が始まるんですが、これが途中までデモではなくゲーム内進行のため飛ばせません。

多分チャプター3も2度とプレイしない。

・エンディングのスタッフロール
エンディングのスタッフロールが結構長い上、飛ばせません。初回だけなら飛ばせなくてもいいけど、何故毎回飛ばせないのか。

最初に書いたようにこのゲームは結構短いのですが、これら「いらないもの」のせいでもう一度最初からプレイしようという時、ちょっと気が滅入ります。

という所で今回は以上です。

※5/16追記
DLC「BLADE WOLF」のレビューはこちら↓
メタルギアライジングリベンジェンスDLC BLADE WOLF レビュー

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