シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ZEAL~ スペシャルパック (オリジナルサウンドトラック 同梱) 新品価格 |
新品価格 |
※2014 4/23追記 「シューティングラブ200x」とセットになった「シューティングラブ。コレクション」も出てます。
予定よりちょっと遅くなりましたが、レビューします。
購入したのは限定版である「スペシャルパック」。
PS2のトゥエルブスタッグ(後述)の曲が好きだったのでサントラ付きのこちらにしましたが、デルタジールの曲もいい曲で、こっち買って正解だったなと思ってます。
それにしてもスゴイジャケット。敵キャラのグラフィックが並んでいるだけという(笑)普段シューティングやらない人が間違って手に取る事は絶対なさそう。
2つのゲームのカップリング移植
このソフトはかつてアーケード用ゲームとして登場した2作を一本に収録したものです。
XIIZEAL(トゥエルブジール)とΔZEAL(デルタジール)。
元々はアーケード用ゲームで、どちらもアーケード版はタイトルが違いました。
XIIZEALはXIISTAG(トゥエルブスタッグ)というタイトルで、こちらはPS2に移植された事があります。
ネットで調べてみたところ、WINDOWS版もあったらしく、この時点でタイトルはXIIZEAL(トゥエルブジール)になっていたようです。
ΔZEAL(デルタジール)はアーケード版では「G-STREAM」というタイトルでした。こちらは今回が初移植・・と言うか、最初にこの「シューティングラブ。10周年」の事を知った時、正直「え?!あれ移植されるの!!」と驚きました。そもそもトライアングルサービスの開発だとは知らなかった。
どちらのゲームも、私が見た限りではアーケード版の出回りはそれ程良くなかったんじゃないかな、と思います。
XIISTAGはアーケード版にお目にかかった事がありません。G-STREAMは館林のカルチャーパークでプレイした覚えがあります。(カルチャーパークはもう潰れてしまいましたね。)
と言う事で、移植なのだから本来はアーケードとの差異・移植の出来栄えを書くべきなんでしょうけど、いかんせんアーケード版を見た事がない・ほとんどプレイした事がないという2作なので、そういう視点からのレビューは無理。
移植云々ではなく純粋に一つのゲームとしてのレビューとします。(実はトゥエルブスタッグはPS2版を持っているのですが、引っ張り出してくるのが大変な上、最後にプレイしたのがかなり前で記憶もあやふやなので比較しません。)
XIIZEAL(トゥエルブジール)
使用するボタンはショットとボムの2つとオーソドックスですが、このゲームには「サイドアタック」という独特の攻撃があります。
方向キーを←→と入力すると右へ飛距離の短い攻撃が出せます。→←なら左に出ます。
さらに←→→とやると右に、→←←と入力すると左へとより強力なサイドアタックを出せます。
もう一つ特殊な攻撃がありまして、それは自機のバックファイア。自機のお尻の炎に攻撃判定が有り、これで敵を倒せます。
サイドアタックはショットよりも攻撃力が高いため、硬い敵はなるべく接近してこれを叩き込み、素早く始末していくのが攻略の要。
サイドアタックやバックファイアで敵を倒すと点数倍率が上がり、最大12倍まで上がります。
倍率が途切れる条件はよくわかりません。一定時間以内に再びサイドアタックorバックファイアで敵を倒すと継続? ネットで調べても攻略ページの類が出てこないんですよね。
ボムは爆風(というかバリア)の中にいれば自機は無敵という仕様で、効果時間が結構長い。
特にボス戦ではボムを使って突っ込み、サイドアタックでどんどん破壊する、という戦法が結構有効です。
その他特徴としては、地上の敵が硬いです。ショットだけで進もうとすると厳しいので、近づいてサイドアタックで始末していきましょう。
また、弾を撃ち続ける敵というのがいません。弾を撃ってこない時間が結構あるので、これを利用して近づいてサイドアタックを当てていけ、という事ですね。
このゲームの良い点
・敵に近づくという戦略性。
敵が弾を撃ってこないタイミングや撃ってこない位置を見切って近づき、大ダメージを与えて破壊する。サイドアタックの効果音と相まってこれが気持ちいいし、ただ撃つだけではないゲーム性を生み出している。
・緻密な2Dグラフィック
今となってはあまり見ないドットのグラフィック。(プリレンダのグラフィックもありますけど。)この質感が好きなんだよね。別に3Dが嫌いというわけではないのですが。
このゲームの悪い点
・地味
いわゆる弾幕シューティングのように敵が大量に弾を撃ってくるわけではなく、特徴であるサイドアタックも短い攻撃が横にバシュッと出るだけなので見た目は非常に地味です。(個人的にはこの地味さがいいという気もするんですけどね。)
・点稼ぎ前提の敵の配置
一部、点稼ぎプレイのためだけに存在している敵の配置があり、稼ぎをしない人にとっては退屈。
画面の中心の左右に弾を撃たない敵が連続で出てくる、というような場面です。サイドアタック連発で倒せ、という事なんでしょうけど、殺される心配がないのでただの作業になってしまう。それ程多くはないのですが、ちょっと気になりますね。
あと、バグなのかネームエントリーでどのボタンを押しても文字を決定できません。
ネームエントリーなんてどうでもいいのですが、時間切れまで待たないと
タイトルに戻れないのは困りもの。
※2014年5/6訂正
今さらながら訂正なんですが、ネームエントリーの決定ボタンはSHOTボタンのみ。
このため連射ではない単発のSHOTボタンを割り当てていない場合はネームエントリーが出来なくなってしまいます。
バグではないのですが、連射ボタンでもネームエントリーを決定可能にして欲しかったところです。連射ボタンしか使わないという方も、単発SHOTボタンをどこかに割り当てておきましょう。
ΔZEAL(デルタジール)
パワーアップが独特のゲームです。
バルカン(赤)、レーザー(青)、ホーミングミサイル(緑)という3種の武器があり、同じ色のアイテムを取る事で10段階までパワーアップ。ここまでは普通なんですが、このゲームは3つの装備を同時に装備でき、3つ合わせて10段階までパワーアップ可能、というシステム。
初期状態は赤を3つ持った状態なので、ここから赤を2つ、青を3つ、緑を2つ取った場合、バルカンのレベル5とレーザーのレベル3とミサイルのレベル2を同時に発射できる、という状態になります。
画面下に三角形が10個並んだ表示があり、ここに取得したアイテムが表示されます。
3つ合わせてパワーアップがレベル10の時にアイテムを取ると一番古いパワーアップが破棄され、取ったものが加わります。
取得しているパワーアップがこのような場合↓
古い 赤赤赤緑青緑緑青青赤 新しい
この状態で青を取るとこうなります↓
古い 赤赤緑青緑緑青青赤青 新しい
もう一つこのゲームの特徴なのがブラックホール弾。
その前にまず点数アイテムの説明から。敵を倒したときに出現するピンクの菱型のアイテムが出現します。
これは取りこぼさずに取り続けるとより大きいアイテムが出現。段々と大きいアイテムになっていくわけです。「バトルガレッガ」みたいな感じですね。
このアイテムは単なる点数アイテムではなく、ブラックホール弾のエネルギーを溜めるアイテムでもあります。取るたびにパワーアップゲージ上の数字が増えていき、OKの表示が出ていると使用可能。
ショット押しっ放しで溜めてボタンを離して発射。
発射されたブラックホールは、前述の数値が大きい程、長い時間画面に残り続けます。このブラックホールは敵弾を消し、アイテムへと変えます。
なお、ブラックホール弾使用中はアイテムを取っても数値は増えません。感覚的には「鋳薔薇」の波動ガンの小さい版というところ。
もう一つの武器はボム。このゲームのボムは使用中に自機が無敵にはなりません。発射は早いですが、ピンチだと感じたら早めに撃ちましょう。
「シビアさが緩和された雷電」だと感じます
パワーアップやブラックホール弾が独特なゲームですが、その2点を除くとこのゲームはズバリ「シビアさが緩和された雷電」だと私は思います。
地上の敵主体の敵配置は雷電シリーズのそれに近い感覚なのです。
雷電2、DX、ライデンファイターズ3作は、私は「シビアなゲーム」だと思っています。
当たり判定ぎりぎりの隙間しかない敵の攻撃(主にボス戦)、陰険な配置の戦車、それでいて自機のエクステンドが無い。そして、雷電2とDXは死んだときの復活が非常に厳しい。この辺がシビアでちょっと息苦しいと感じるんですよね。
(せめてエクステンドがあれば大分印象が違うのにな、と。誤解しないで欲しいですが、私は雷電シリーズが嫌いなわけじゃありません。)
それに比べてこのデルタジール、
自機の当たり判定は結構小さく、弾除けはそれ程シビアではありませんし、陰険な配置の戦車もいません。
死んだときに雷電同様パワーアップアイテムが幾つか出現しますが、雷電のように同じ色を取らなくても大丈夫。
適当に取っても初期状態よりは確実に自機が強くなるので、復活が楽です。(とは言っても、なるべく狙って必要な装備を付けた方がいいですけど。)
エクステンドこそありませんが、息苦しさが大分緩和されてます。
無敵こそ無いが緊急回避的に使えるボムと、長時間弾を消す事も可能なブラックホール弾と、防御手段が2つもあり、攻略の幅が広いかと。シンプルで遊びやすい良作じゃないかと思います。(まだクリアしてませんけど。)
良くないと感じる点
ただ、ちょっとよろしくない点が幾つかありますね。
・敵の弾が見難い
これが非常に惜しいところ。こんなところまで雷電に似ているという。
敵の弾はピンクがかった白い弾が多いのですがこれが見難い。自機のバルカンもピンクだし、点数アイテムもピンク。
なんでわざわざこんな色の組み合わせにしてしまうのか。2Pだとバルカンが青なので、ちょっとはマシになります。
・ブラックホール弾のエネルギー表示
まずエネルギー表示の数字が小さくて見難い。あとブラックホール弾使用中、その持続時間が分からないのがちょっと困りもの。
前述の通り、エネルギーが溜まっている程持続時間が長いのですが、あとどのくらいの時間で効果が終わるのかが視覚的に分からないんです。
エネルギーの数値は撃った瞬間に0になるのですが、どうせならこの数字がカウントダウンしていけば分かりやすかったのに、と思いますね。
・地味
このゲームも地味です。まあ雷電だって地味ですけど、それ以上に地味に思えます。
まず原因の一つはデザインじゃないかと。
雷電のキャラクターは割りとミリタリーテイストなデザインなので、地味さがシブさになっている、と私は思うんです。ところがこのゲームはミリタリーではなくSF。特に自機は結構変わった形をしています。
にも関わらず、地上や海の上を淡々と進んでいるのが何かこう、ミスマッチな気がするんですよね。「バイパーフェイズ1」みたいに背景が宇宙なら印象が違ったかも。
実際、後の方のステージでいかにもSFな基地のステージがあるのですが、ここはあまり地味に感じないかな。
あともう一つの原因は背景の変化の少なさ。
例えば雷電2の1面なら、森をバックに母艦から出撃、田園地帯を進み、水が溜まった巨大なクレーターと高架道路を過ぎ、湿地帯でボス出現・・・というように背景に変化がありますよね。
ところがこのゲームの前半は背景に変化があまり無いんですよ。
スクロール方向こそ変化がありますが、1面はずっと雲の上だし、2面もずっと湿地。例えば1面なら、ボス前辺りで雲が少なくなってきて眼下の風景が見えてくるとか、そういう変化があれば良かったんじゃないかと。
実は3面以降のステージは結構変化に富んでいるステージもあるんですけどね。1面と2面は地味過ぎだと思います。
・1面の卑怯な敵
まず赤くてちょっと硬い敵。コイツは画面の下までくるといきなり真下へ向かって大量に弾を吐いてきます。
まあ正面にいなければいいのですが、1面でまだ自機がパワーアップもしていないのでやっぱり正面から撃とうとしがちだと思うんですよ。で、いきなり1面からこれはちょっと。
あと卑怯くさいのは1面ボス。
ボスの周りに8方向に弾をばら撒く攻撃があるのですが、この弾、発射された後に180度逆の方向に飛んで行くんです。まあつまり結局同じ8方向に弾が飛んで行く訳ですけど。
弾を見て避けようとしたらいきなり軌道が変わって結局同じところに弾が飛んで来るわけで、初見でうっかりやられる人が結構いそう。
いきなり8方向に弾を撃ってくるのは1面のボスとしては強すぎる、と考えて撃ってから飛んで来るまでの時間を長くしようと、そういう意図でこういう作りになっているんじゃないかと私は思うのですが、かえって逆効果と言うものじゃないかと。素直に弾を遅くすれば良かったんじゃないかなと思います。
あと1面ボスは真下に向かってレーザーを撃つ攻撃があるのですが、これも予備動作が短すぎると思います。
やっぱりアーケードのゲームって、初見の印象が悪いのは良くないですよね。実際私も、館林のカルチャーパークで1回プレイした後、2度とプレイしなかったような記憶が。(そもそもそんなに長く店になかったような記憶もありますが。)
何でもうプレイしなかったかというと、やっぱり弾の見難さと1面ボスの卑怯くさい攻撃のせいだったような・・・(でもうろ覚え)
そんなわけでちょっと初見の印象は良くないのですが、プレイし続けてみると、地味でシンプルながら、狙ったパワーアップを取る面白さ、ブラックホールの使い所を考える戦略性などもあり、良作だと思います。。
あと何と言ってもグラフィック。
ライデンファイターズのグラフィッカーが描いたグラフィックで、緻密で古き良き時代の質感溢れるドット絵がカッコいい。
という事で、「シューティングラブ。10周年」のレビューでした。
気が付けばデルタジールの方ばかり細かく書いてしまいましたが、こっちは初移植な上にトゥエルブ~よりマイナーだと思うのでこれでいいかな、と。
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