ハロウィンの季節という事で今さらですがCAVEのシューティングの名作、デススマイルズについて語ってみようかと思います。
本当は去年やるつもりでいたのですが、ブログの移転作業で忙しかったので今年に持ち越しました。
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プラチナコレクション版はDLCである「メガブラックレーベル(MBL)」が最初から入っているらしいので、今から買うならこちらが良いでしょう。
限定版にはアレンジ版サントラが付属していますが、MBLの追加ステージ「水晶神殿」のBGMはオリジナル版もこちらに収録されているので注意。アーケード版リリース後にオリジナルサントラが出たのですが、その時はまだMBLが出ていなかったので水晶神殿のBGMは収録されていなかった。なのでXBOX360版のアレンジサントラに収録となっています。
アーケード版は2007年、XBOX360版も2009年ともう結構経っているゲームです。
2011年にiOS版、2013年にアンドロイド版も出ていますが私は未プレイ。さらに言うと実はアーケード版もプレイした事がないので実質XBOX360版のみのレビューです。
(※追記 現在はSteamでも配信されています。Steam版はXBOX360版の移植のようです。)
今さらなレビューなんでゲームのシステム等についてはあまり詳しく書きません。このゲームがいかに素晴らしいゲームかという事をとにかく語りたいと思います。
屈指の完成度のゲーム
いきなり思いっきり持ち上げますけど、デススマイルズは数ある2Dシューティングゲームの中でも屈指の完成度の高さだと私は思います。CAVEのゲームの中では最も完成度の高いゲームでしょう。
でも最も好きなシューティングゲームがデススマイルズ、というわけではありません。これよりも好きなゲームというのはあるのですが、客観的?というか自分の好みから一歩引いて見て、最も完成度が高いと思うのがデススマイルズだと思うのです。言うなれば「商品として最も完成度が高い」と言っても良いでしょうか。それは以下のような点で優れているのです。
あらゆるユーザーに訴求するデザイン
デススマイルズの自機はゴスロリに身を包んだ女の子。いわゆる「萌え」を期待出来るデザインとなっています。
これだけなら良くある安易な考えですし、そういうのを嫌うユーザーを逃してしまうというマイナス面もあります。しかしこのゲーム、自機こそ女の子ですし実際キャラクターの魅力もあるとは思うのですが、ゲーム全体の雰囲気は一環してゴシックホラー。ちょっとコミカル目な部分もありますけど結構硬派な雰囲気なんですよね、ステージや敵のデザインも、音楽も。
実は私もアーケード版発表時はちょっと拒否反応が出た人間なんですが、XBOX360版発売間近にトレーラーを見てそのBGMや画面から「ドラキュラX血の輪廻」みたいなああいう雰囲気を感じて気に入り購入に至りました。いわゆる「萌え」みたいな方向と硬派なカッコ良さを両立している作品て、シューティングに限らず・・いやゲームに限らず数少ないと思います。
今さらこんな事書いても・・・という気はするのですが、初見のキャライメージで敬遠していたという方、ぜひ実際のゲーム画面を見てみてください。あとBGMも聞いてみて欲しい。カッコ良い雰囲気ですよ。
あらゆるユーザーが楽しめる難易度システム
・「初心者から上級者まで楽しめる」よくある売り文句ですよね(笑)でもそれを実現出来ているゲームってそうはない。それを実現した稀有な例がデススマイルズだと私は思います。
このゲーム、最初の6ステージは難易度をレベル1~3の3段階から選ぶ事が可能。レベル1は本当に簡単で、普段シューティングなんてやらない下手な友人でもこの6ステージはレベル1で初見クリアしてました。最終ステージだけは、レベル1の6ステージに比べると難しいので、クリア出来るようになるまで何回かプレイしなければならないと思いますが、6ステージは選ぶ順番を変えてみるとか、あるいはレベル2以上に挑戦してみるという感じでプレイすれば、飽きずに最終ステージクリアまでプレイし続けられると思います。
このシステムの秀逸なポイントは、
「最終ステージの難易度は変わらず、6ステージの難易度や順番だけ変えられる」
という点です。
最終ステージまで万全の体制で挑むために6ステージは全てレベル1を選ぶも良し。レベル1は簡単過ぎて飽きるというならレベルを上げてみるも良し。で、レベル2以上のステージに挑戦して残機を失ってしまったら無難に残りはレベル1にして進むのもありです。
こんな風にプレイヤーが自分でプレイの仕方を決めて、その時その時で変えていけるのが良いところだと思います。どんなゲームでもオプション画面で難易度設定はありますけど、ゲーム全体・全ステージの難易度が変わるわけですから、それとはわけが違います。
シューティングゲームは「コンティニューをせず、毎回最初からプレイする」というアーケードゲームのルールでないと成り立たないゲームなので、ともすると最初の方のステージは全クリア出来るようになる前に飽きてしまうという事になりかねないところがあります。それに対する回答として他のゲームは1面でもスコア稼ぎをする面白さがあったり、あるいは1面からそもそもあまり簡単ではなかったりしますが、どちらも初心者には厳しいでしょう。その点デススマイルズのこの難易度システムは初心者に対する配慮として秀逸だと思います。
ちなみにアーケード版は6ステージ全てをレベル1にする事は出来ず、上段3ステージ・下段3ステージそれぞれで1回しかレベル1・レベル2は選択できません。
XBOX版よりややハードルが高くなるのですが、どのステージをレベル1にするか試行錯誤するというゲーム性になり、これはこれで面白い要素となっていると思います。頑張ればクリア出来そうなステージをレベル2でクリア出来るようにする必要があるという点で、初心者の向上を促してくれるのではないかと。
シューターにとっても奥が深い
さて本題はここからです。
この難易度システムの本当に秀逸なところは、初心者への配慮だけに留まらず、シューティング好きにとっても奥の深いところ。
最終ステージとEXステージは難易度選択が無く、6ステージだけが任意での難易度選択による敵配置の変化があるのですが、それとは別にゲーム全体に適用される「デスモード」という難易度が存在。
レベル3を5回以上選ぶと「デスモード」となり、敵の配置に変化はありませんが敵を倒した時に撃ち返し弾が発生するようになります。さらにEXステージ「渓谷」はステージ自体の難易度が高い上、このステージに行く事でもデスモード同様に難易度が1ランク上がります。
「6ステージレベル3+EXを通過してクリア(Exデスクリア)」がクリアのみに関して言えば最終的な目標。
デスモードやEXステージ無しでのクリアは、シューティングを普段からプレイする人なら大して苦戦しないと思いますが、その後も次のハードルが用意されているわけです。
で、このハードルが秀逸。
単に弾が増えるとか敵が硬くなるとかではなく、撃ち返し弾をオプションで消していく必要があり、難易度もプレイ感覚も一気に変わります。挑戦し甲斐のある難易度の上げ方なんですよ。(撃ち返しについては後で詳述。)
デスモードは5回目にレベル3を選んだステージからなので、ここでもステージの選択順番が重要になってきます。
ステージによっては、レベル2以上かつ選ぶのが後の方だと回復アイテムが出現するので、これも含めて順番を決めていくべきです。
ここが悩みどころですし面白いところ。
さらにもう一歩進んでスコア稼ぎでも重要。このゲームのスコア稼ぎはアイテムカウンタを満タン(1000)にした状態で発動できる「パワーアップ(通称ハイパー)」の発動タイミングと、その終了後の迅速なアイテム回収が鍵。当然、稼げるパターンをステージの順番も含めて模索する必要があるわけで、ここでもこのステージの順番を選ぶシステムがゲーム性に寄与しています。
どのシューティングゲームにも考える要素はあります。
「ここはどうやれば簡単に突破できるだろう?」と何度もプレイしながら考え、より安全確実な方法を模索していくわけです。もちろんデススマイルズにもそれはあるのですが、このゲームにはステージ内でのプレイ以前にさらに「ステージのレベルや順番を考える」という要素があり、しかもそれが初心者のプレイからEXデスモードクリアまで、果てはより高いスコアを狙うプレイにまで重要な面白い要素として機能しているのです。そしてもちろん、初心者でもクリアが狙える低難易度から徐々にステップアップしていけるという要素でもある。
非常に秀逸なシステムだと思います。
他のCAVEシューティングとは異なる特徴が多く、しかも完成度が高い
CAVEは数多くのシューティングゲームを出していますが、その中でも、いやCAVE製以外も含めたシューティングゲーム全体の中でも変わった要素が多いです。
そしてこれらの要素が全てうまく機能しているところが素晴らしい。しいて悪いところを挙げるとすれば、スコア稼ぎをしないとロックショットの有効な使い道がほとんど無いくらいでしょうか。
〇左右へ攻撃出来る
右だけにしか攻撃できないゲームに比べて、単純にゲーム性が高いと言えると思いますし、初心者にやさしいとも言えるかもしれません。敵に後ろを取られた時の対処って、初心者には難しいのではないかと思いますので。
そして地味にこのシステムの素晴らしい所は、「自機が人間である」という事をきちんと生かし、それでいて取っ付きやすいという点です。
自機が人間のシューティングって結構ありますけど、シューティングって基本的に前しか弾が撃てない。自機が人間なのにこれって不自然なんですよね。もちろんだからと言ってゲームとしてダメだって事はないのですが、やっぱり見ていて「後ろ振り向いて撃てよ」と突っ込みたくなりますよね、ぐわんげの5面ボス前とか(笑)
でも前後どちらにも撃てるとだいぶ自機が人間らしくなる。カプコンの「ロストワールド(フォゴットンワールド)」とか「アルティメットエコロジー」みたいに全方位に攻撃出来るゲームの方がより人間らしいかもしれませんが、これは操作が難しいのでちょっと取っ付きが悪い面があると思います。
そう考えると、前後に攻撃出来るくらいがちょうど良いバランスかと。まあデススマイルズにはロックショットがあるのでこれで全方位に攻撃も可能ではありますけどね。
個人的にちょっと足りないと思うのが、自機が自分の足で歩かない事。地形に密着した時だけでも自分の足で歩いて欲しかったです。ファンタジーゾーンで画面下にいる時みたいに。いくら飛べるとは言っても地面のすぐ上にいるなら足を付かないと不自然だと思います。もちろんゲーム性には関係の無い話なんですが、どうせならやって欲しかった。
〇半ダメージ
シューティングと言えば、自機は1発で死にます。デススマイルズも基本的にそうです。
(他のゲームのように自機がやられて次の自機が出てくるのではなく、残機は「体力ゲージ」という体になっていますが、実質的には他のシューティングの残機と同じ概念です。だから次のステージに言っても体力は回復しません。)
しかしちょっと違うのが、敵本体にぶつかった場合は半ダメージになり、1発で即死とはならないというシステム。
弾幕シューティングは当然弾が多く、弾を見るだけで精一杯になりがち。なので敵にぶつかって死んでしまうとちょっとイラつく感があります。(だからCAVEのゲームの敵は基本的に体当たりをしてこないのだと思います。)
このゲームは前項で書いた通り自機が左右に弾を撃てるだけあり、後ろからも敵が出現する場面が少なくありません。出現前に「←DANGER」という表示も出ますが、それでもぶつかってしまう事は他のCAVEのゲームよりありがち。しかしぶつかっても即死にはなりませんし、CAVEのゲームではいつもの事ですが出現直後に即弾を撃ってくる敵は少ないので激突によるストレスはほとんどありません。
〇当たっても死なない地形
横スクロールシューティングと言えば地形の存在。
前項の「半ダメージ」にも書きましたけど、弾幕シューティングは当然弾が多く、弾を見るだけで精一杯になりがち。なので敵の弾以外のものにぶつかって死ぬとちょっとイラっとする。そうなると弾幕+地形というのは鬼門です。
そこでこのゲームの出した回答が当たっても死なない地形。
敵や自機の弾は遮られますし、自機もぶつかりはしますが死にはしない。これにより、「障害物を使って敵弾を防ぐ」「障害物の向こうの敵を撃ちに行くタイミングをはかる」と言った、横シューならではのゲーム性を弾幕シューティングで実現しつつ、自機がやられた時にイラっとくるようなストレスを無くしています。
〇オプションで消す事が可能な撃ち返し弾
デスモードやEXステージ突入で難易度が上がりますが、この難易度上昇による変化で最も大きいのは撃ち返し弾の存在。
撃ち返し弾というのは他のゲームにも度々登場する要素ですが、このゲームの撃ち返し弾は自機のオプション(使い魔)を当てる事で消す事が可能。
避けるだけでなくオプションで弾を消す事も考えながら動いていく。オプションの位置を動かす事が攻撃のみならず防御にも重要となるわけで、この使いこなしが実に面白い。加えてこの撃ち返し弾を消す事で点数が入るので、スコア狙いにおいても重要な要素として機能しているのも秀逸なところです。
〇点数アイテムのシステム
基本的に私はシューティングで点稼ぎをやりません。が、このゲームは3億点突破の実績解除を目指してかなりやりました。
このゲームの点数アイテムは出現すると下に落っこちていき、地形に当たると分裂するという特徴があります。点数稼ぎにおいて重要なハイパーを発動させるには点数アイテムを取得してカウンタを1000にする必要があるのですが、アイテムを分裂させずに取った方がカウンタは多く上がります。
しかしハイパー発動中は分裂させて取った方が点効率が高い。このため通常状態とハイパー発動中とでは敵の倒し方が変わります。通常では敵を倒したら近付いて落っこちる前に取得。ハイパー中は倒す位置・自機の位置を考え、落下中に取らないようにしつつうまく地形にぶつけて割って取る。
この辺にメリハリが利いていて非常に面白い。ただ出たアイテムを取れば良いわけではないというところがミソ。この感覚は他のゲームには無い感覚。「横スクロール」「地形」という要素をうまく使ってますね。
あと敵には属性があり、倒した時に自機がどの弾を撃っていたかで出現する点数アイテムの大きさが変わる。中には属性がロックショットの敵がおり、ロックショットはカウンタを消費してしまうので他の弾を当てながらロックショットを一瞬だけ展開して消費を抑える「空ロック」というテクニックが重要。
敵弾を避けて弾を撃ち込みつつ、うまくトドメを空ロックというのは難しいのですが、それだけにうまくいくとそれだけで嬉しくなれます。
〇実績が秀逸
これは完全にXBOX360版だけの話になりますが、このゲームの実績の設定は非常に秀逸なものが多いです。
これは個人的な考えですが、XBOX360の実績やPSのトロフィーは
「その人の腕前を示すもの(誰でもやれば簡単に取れるものではない)」
「その取得を目指す事でゲームが面白くなるもの」
このいずれかでなければ取る価値など無いと私は思っています。この点、デススマイルズの実績は良く出来ていると思います。キャラ毎のクリア実績はノーコンティニューとそうでないのが両方ありますし、「6ステージレベル3、EXステージ経由でノーコンティニュークリア」というクリアに関しての最終目標も設定されています。
そしてスコアの実績も1億点・2億点・3億点と実績があります。各実績単品で見ても、プレイヤーのモチベーションを高めてくれる素晴らしいものなんですが、達成すると次の別の実績の達成が見えてくるというか、そんなバランスが秀逸です。
例えば最初はまずキャラ毎のノーコンティニュークリアを目指すとして、とりあえずレベル1進行でクリアする。そうすると特別稼いでなくともスコアがもう少しで1億点に届くかな、くらいになるので、ちょっと頑張って1億点の実績取ってみようかとなる。
1億達成の為にレベル2以上のステージやEXステージに挑戦し、1億点達成すると、今度はレベル3進行でのクリア、さらにEXステージも
経由してのクリアが見えてくる。で、これを達成する頃には2億点も見えてくる。ここまで来たら3億点も目指してみるか・・・・という感じです。次の目標がどんどん見えてくるので飽きずにかなり楽しめます。
最後に
結構古いゲームなのでゲームセンターで見かける事もさすがに少ないのですが、非常に面白いゲームなので気になっている人はぜひプレイしてみて欲しいです。今だとスマホ版が一番手頃なんでしょうか?特にこれからシューティングゲームを始めてみようと思っている方には真っ先にオススメしたい。
初心者にはより簡単な続編「デススマイルズII」もアリですが、正直言って初代に比べてIIは底が浅くてイマイチだと私は思います。
「メガブラックレーベル(MBL)」や「バージョン1.1」についても書くつもりだったのですが、ハロウィンに間に合わなくなりそうだったので割愛(笑)
後で追記するかもしれません。
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