いつもとはちょっと趣向が違うレビューです。
(レビュー、という程のものではないかな)
ここのところ全然プラモ作っていないし塗装もしていなかった私ですが、
ちょっとマニアックな、「モデルマスター」という会社のアクリル塗料(アクリルペイント)を紹介。
そんなに使い込んでいるわけではないので、内容に勘違い・間違いがあったらすみません。
購入したのは「フラットホワイト」「ニュートラルグレー」「ライトグレー」の3色と専用シンナー。上の画像でも分かるかと思いますが、説明書きは全て英語。これは海外の製品なんです。
ビンの大きさはMr.カラーと大差ないです。
内容量は14.7mlという事なので、Mr.カラーよりはちょっと多いのかな。
輸入物であるせいか、あるいは元々高いのか、日本の塗料に比べるとちょっと高く、1本400円ぐらいします。シンナーにいたっては1200円もします。
扱っているお店は少ないです。店頭で見た事は一度も無く、ネット通販でしか購入した事がありません。
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モデルマスター アクリル塗料の良い点・悪い点
ではこの塗料について解説。
いきなりですが、私がこの塗料を買うのはこれが初めてではありません。10年くらい前ですかね、購入し使った事があります。
その時はパッケージが違っており、ビンではなく袋に入って売られていました。レトルト食品が入っているような「パウチ」って言うんですかね?あんな感じの袋に入っていました。袋の上にプラ製の注ぎ口というかチューブ状のものが付いており、この根元を右に捻ると
中身が出て、左に捻ると中身が出ないという構造。
(本当は当時品の画像をお見せできると良いんですけど、手元に物が残ってませんでした。)
この袋が非常に使い勝手が良かった。攪拌がすごく楽なんですよ。袋を指でグイグイ揉めばそれだけで攪拌完了。
いつの間にか袋ではなくビン入りに変わってしまったようで、非常に残念。この塗料の性質(後述)から言っても、袋の方が良かったのに。
当時は1袋200~300円くらいの価格だったと思いますが、内容量が今より少なかったかどうかは憶えていません。
10年ぶりくらいにビン入りとなったこの塗料を使ってみたわけなんですが、塗料の性質は袋に入っていた時と同じ感じで、特に変わっていないようです。そんなこの塗料の性質は、他のアクリル塗料とはかなり違います。
特徴① 塗膜が硬くて頑丈
まずこれが素晴らしい点。
タミヤカラーアクリルとか、水性ホビーカラーは塗膜が弱いですよね。ところがこのモデルマスターの塗膜は非常に硬くて頑丈。
Mr.カラーよりも頑丈だと思います。塗膜にペーパー掛け出来る程です。とは言っても、塗装済み完成品の塗装程の頑丈さは流石にありません。
特徴② 伸びが良いのに乾燥が早い
伸びが非常に良くて、エナメルと同じかやや劣るくらい。それなのに乾燥が早く、ラッカー系より気持ち少し遅いくらい。他のアクリル塗料って「乾き始めるのは早いが完全乾燥は遅い」という印象なんですが、これは乾き始めるとすぐに乾燥してしまいます。
特徴③ 水性でほぼ無臭
タミヤカラーアクリルや水性ホビーカラーはラッカー系に比べれば臭わないものの、かなり臭いますよね。
ところがモデルマスターのこれはほぼ無臭。全くといっていい程臭いがありません。とは言っても、使うときはきちんと換気をするべきだとは思いますが、部屋が臭くならずに塗装出来るのは大きな利点。
特徴④ 乾燥するとシンナーでも溶けない
まず他の塗料では「ありえない」性質ですね。この塗料、乾くとシンナーでも溶けません。従って重ね塗りの際、先に塗った塗料が溶け出してしまう事はありません。筆塗りで先に塗った塗料をほじくり返してしまう事がないので塗りやすいです。
ちなみにタミヤアクリルのシンナーでも溶けません。なのでアクリル塗料であるにも関わらず、上からアクリルでウォッシングが可能です。
ただ溶けないとは言っても、あんまりシンナーを付けた綿棒でこすると剥がれる事があります。(他のアクリル塗料でも、水で薄めた塗料を使えば「アクリルの上からアクリルでウォッシング」は可能ですけど、ウォッシング塗料をシンナーでふき取るのは無理ですね。)
もちろん、エナメルでも溶けません。
と、ここまでは良い事ずくめなんですが、シンナーでも溶けないというのは上記のようなメリットがある反面、欠点にもなります。と言うのもこの塗料、乾燥すると「剥がれる」ことはあっても「溶ける」事がないみたいなんです。ビンではなく袋に入って売られていた頃は、薄めるのに使うシンナーの他にツールクリーナー的な、乾燥した塗料を落とすためのシンナーも売っていました。で、これを使うと乾燥した塗料を落とせるわけですが、塗料は溶けるのではなく「剥がれる」んです。塗膜が粉々になるような感じで剥がれました。
従って
欠点① 乾き始めるともう塗料として使えない
他の塗料ならば、塗料皿に出した塗料が固まり始めてもシンナーを足してかき混ぜればそのまま使えますが、この塗料は固まり始めたらもうダメです。ドロっとし始めた塗料ならシンナーで戻りますが、固まった部分は無理。なので下手に固まりかけの塗料を使おうとすると、塗料の中にすでに固まった塗料カスが混ざってしまうため、使わない方が無難です。従ってこの塗料は、使う時に必要な分だけをその都度出して使うようにした方が良いです。(なので、簡単に攪拌できて少量だけ出せる昔の袋入りの方が適していたと思います。)
欠点② 溶かす技法も使えない
塗った塗料のフチをシンナーで溶かしてボカす、というような技法は使えません。一応、ラッカー系シンナーなら気持ち少し溶けたような記憶があるのですが、後で確認します。
欠点③ 塗料皿などの道具を洗えない
非常に単純な話ですが、溶かせないので塗料が固まってしまった塗料皿を洗う事ができません。前述の通り袋入りで売っていた頃はツールクリーナー的な「塗装を剥がす」シンナーがあったのですが、今は無いようです。Mr.カラーのツールクリーナーに漬け込んだら流石に落ちた記憶がありますが、塗装に使った直後の塗料皿でもそこまでしないと落とせないのは困りもの。使い捨てのパレット等を使うと良いでしょう。
ちなみに私は当時買ったシンナーやツールクリーナー的なそれを今でも持っているのですが、果たして今でも使えるのか(笑)まあツールクリーナーの方だけでもダメ元で試しに使ってみようかとは思います。
欠点④ エアブラシで吹いて大丈夫なのかな・・・?
乾燥すると溶かせないという点を考えると、エアブラシで吹くのが怖いんですよね。中で固まって詰まってしまうんじゃないか、と。という事で、私はエアブラシで普通の吹き方はやった事がありません。
じゃあ普通じゃないのは何?ということなんですが、昔袋入りで売っていた頃はこの袋をエアブラシに直接挿して使うためのアタッチメントがあり、これで吹いた事があります。当時使っていたエアブラシは確か、タミヤのバジャー350だったような・・・。ちなみに袋からそのまま吹くのでちょっと塗料が濃い目(そのまま筆塗り出来る濃さなので)で、塗装表面が結構ツブツブに。なので乾燥後にペーパーを掛けて綺麗にした覚えがあります。
総評
「乾燥すると溶けない」という他の塗料にない性質のため使い難い部分はあります。しかし塗膜が頑丈。伸びが良いのに乾燥が早い。さらにほぼ全くの無臭という利点があり、クセはあるものの他のアクリル塗料より圧倒的に「使える」と私は思います。(あんまり塗装しない人間なんですけどね私。)
特に臭いが無いというのは本当に素晴らしい点。塗装の時、臭いってどうにもならない。それが無いんですから。
扱っている店が非常に少ないのと高価なのがネック。値段はともかく、取り扱い店がもっと増えて欲しい。
ネット通販でしか買えないのが不便なところです。。
以上、モデルマスター アクリルペイントのレビュー?でした。
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