レビュー:NECA パワーローダー P-5000(デラックス ビークル)


国内流通版発売からちょっと間が空いてしまいましたが、NECAのパワーローダーをレビューします。
開封直後にシリンダーやチューブが破損してしまい、修理に手間取っていました。(破損部分をどう修理したかもレビューしていますので、同じ部分が破損された方は参考にしてみてください。)

先にシリーズ5で発売された「エイリアン2」のリプリー(シガニー・ウィーバー)を乗せる事の出来る大型商品となっています。
この商品はパワーローダー単体であり、リプリーは別売りなので注意してください。


商品名:エイリアン/ 7インチ アクションフィギュア シリーズ デラックス ビークル: P-5000 パワーローダー
メーカー:NECA(ネカ)
キャラクター原作:映画「エイリアン2」

全体


2本のアンテナ状のロッドは本体から外れた状態でパッケージに入っており、自分で取り付けるようになっています。付属品として操縦桿を握るためのリプリー用の手首パーツが付属しますが、これはレビュー本文にて後述。
材質は部分によってABSだったりPVCだったりしますが、本体のイエローは全て成型色。

良い点と悪い点

まず最初にこの商品の良い部分・悪い部分を列挙します。詳細はレビュー本文にて。

良い部分

・既に発売されている7インチアクションフィギュアシリーズと同スケールで商品化。
・可動範囲に関してはほぼ完璧。シリンダーも全て可動し、膝以外はデザイン上可動出来るであろう限界まで可動。
・ラチェット機構により、関節の保持も完璧。
・パーツの合わせ目が表面に出ておらず、見た目が綺麗。

悪い部分

・太もも側のシリンダーの根元が(おそらく)癒着している可能性が高く、無理に動かすと破損の危険。
・膝のシリンダーに繋がっているチューブの根元が千切れやすい。
・本体色が成型色でちょっと質感が軽い。
・ウォッシングが汚い
・シルバーの塗装剥げ表現が雑。本体が成型色の事もあり、塗装剥げに見えない。
・操縦桿を持つための手首の作りと可動に難ありで、操縦桿を握った状態でのポージングは限定されてしまう。

大きさの比較

同じ「エイリアン2」の、他のNECAのフィギュアと大きさ比較。

まずは搭乗者であるシリーズ5のリプリーと。


続いてエイリアンクイーン
撮影スペースに収めるため、クイーンはかなり腰を落としています。これだけ大きければクイーンとも戦えそうだと思えますよね。
尻尾を除くと、パワーローダーは商品サイズとしてはクイーンよりちょっと小さいぐらいの大きさなんですが、パッケージはかなりコンパクトでクイーンの1/3ぐらいしかありません。


続いてシリーズ3のビショップと、海兵隊を代表してシリーズ1のヒックスと並べて。
フィギュアを乗せるのはもちろんですが、こういう乗り物って近くに置いておくだけで背景になるというか情感が出ますよね。
なおビショップや海兵隊は残念ながらパワーローダーに搭乗する事は出来ません。リプリーよりも足首がやや太いため、足首を引っ掛けるベルトに通せないためです。ベルト部分を温めればなんとか通せるかもしれませんが、無理をすると足首がベルトから抜けなくなりそうなのでやりません。あと海兵隊は腰のポーチが邪魔で背中とパワーローダーの間に隙間が空いてしまう問題もありますね。
海兵隊を乗せてプレデターと対決させたかったのですけどね・・・・。(カプコンのアーケードゲーム「エイリアンvs.プレデター」でパワーローダーは海兵隊が搭乗するボスキャラとして登場。)

各部について解説


腕を上に動かすと、シリンダーがきちんと伸縮します。無骨なメカ感がカッコ良い。


シリンダーがある都合、腕はここまでしか上に上げられません。大体90度というところでしょうか。コンテナ等を運ぶ重機という用途からすると、これ以上上まで上げられる必要は無さそうです。


肩関節は回転だけではなく、スイング可動で腕を横に広げる事が出来ます。


腕はここまで横に広げる事が可能。こんなに動くとは思っていなかったので驚きました。


シリンダーは背中側との接続部がボールジョイントになっており、腕を広げる時に左右に傾くようになっています。こういう風にメカらしくきちんと可動するのってイイですよね。


肘関節はここまで曲がります。大体90度。肘関節にはラチェットが入っています。


肘の可動に合わせて、ここもシリンダーが伸縮します。


手首というか「ツメ」の部分の可動。左右に動く他、手首は根元で回転が出来ます。


ツメもスライド可動します。ツメの根元を通る2本のロッドは金属製となっています。


ツメは裏側が肉抜きで空洞ですが、先っぽの部分は物を掴む為のギザギザがちゃんと付いています。・・・・が、このギザギザもツメと一体成型で厚みがかなりあるため、矢印で示した表面側がヒケてしまっているのが残念。ツメの内側を別パーツ構成にしてくれれば良かったのですが。


手首にチューブが繋がっている部分。
ここは穴に深くチューブが挿さっているので根元から千切れる心配は無さそう。


こちらは下腕のチューブ。手首のように穴にチューブが挿さっているわけではないのでやや不安はありますが、チューブの長さからして腕を前に出しても余裕があるのでチューブが引っ張られる事はないのでまず大丈夫だと思います。膝だけが問題なんですよね。


各部の黒いラインは印刷(塗装?)なのですが、この下腕だけはシールです。ちょっとずれて貼られてしまっていますね。奥まっているせいでここだけは印刷に出来なかったのでしょうか。


このパワーローダー、パーツの分割線が全く出ていない構成になっています。「腕なんて絶対合わせ目が出る。それこそ真ん中でモナカ割り何てこともありうるかもな・・。」と私は思っていたので、この素晴らしい仕事ぶりにはビックリです。これだけデカイにも関わらず合わせ目はありません。


唯一残念なのは肩の上面ですね。ここはパーティングラインでの段差がちょっと目立ちます。上面の凸部分だけ別パーツにしてくれれば完璧だったのですが。


イエローは全て成型色。ブラウンでウォッシングがされており、各部にシルバーで塗装剥げ表現がされていますが難あり。
まずウォッシングが汚くて、汚れに見えない部分があります。
そしてシルバーも塗装剥げに見えません。塗り方が雑なのもありますが、本体が成型色なんで塗装剥げには見えない。塗装であるはずのイエローの方が、下地であるはずのシルバーより光が透けているわけですから。
ウォッシングやシルバーの塗装はペーパーやスポンジヤスリ等で落としてしまっても良いかもしれませんね。

脚部


まず股関節の可動範囲から。後ろ方向にはここまでが限界です。


太ももの後ろ側の部分が、胴体に当たってしまう為にここまでしか動きません。

では逆に前方向の可動はどうかというと、90度以上前に出せます。しかし
脚を前に出しすぎると膝のチューブが千切れる可能性があるのでやらない方が良いです。
私は4本中3本が千切れました。


唯一千切れずに残った1本の根元です。チューブの先が細いピンになっており、これを穴に挿して接着しているようです。穴とピンの径は1.5mm。チューブの長さにはそれほど余裕がありませんので、脚を一杯まで前に出すような事をすると千切れかねません。

千切れたチューブの修復

残ったチューブのピンを除去し、チューブに穴を空けてスプリングパイプを新たなピンとして接続して修理しました。
以下手順。

これはチューブが千切れた状態のシリンダーです。穴の中にはチューブのピンが残ってしまっているのでまずこれを除去します。径が1.5mmなので1.5mmのピンバイスを残ったピンにぴったり合わせて穴を掘ることでピンを除去します。
この時、少しずつ様子を見ながら掘るようにしましょう。掘りすぎてシリンダーの中のシルバーのロッドに穴を空けてしまわないように注意。黒いピンが無くなり、イエローのパーツにピンバイスが当たり始めたらそこでやめましょう。


ピンを除去した状態。


ピンが無くなったチューブの先端にやはり1.5mmのピンバイスで穴を空けて、そこに1.5mmのスプリングパイプを挿した状態です。このスプリングを、先ほどピンを除去したシリンダーの穴に挿してやれば修理完了。
スプリングパイプではなく真鍮線などでも良いとは思うのですが、挿してやる芯の部分も曲がるものを使った方が再び千切れたり穴から外れたりし難いのではないかと思い、そうしました。
ちなみにスプリングは接着していません。接着しなくても固定出来ます。もちろん接着してしまった方が穴から外れるリスクは低くなるとは思うのですが、万が一スプリングが千切れた場合、穴に残ったスプリングを除去出来なくなってしまいます。まあ流石にスプリングはそう千切れたりはしないとは思うのですが、引っ張られて伸びてしまう事はありうるので、そうなった時にスプリングを交換できるという意味もあります。

シリンダーの根元の修復

次にシリンダーの根元です。海外のレビュー動画などでもここが癒着していたというのを幾つか見ました。

折れてしまった状態の写真です。
ここの癒着の原因はおそらくウォッシング。組み立てた状態でウォッシングして、隙間に塗料が流れ込んで固まってしまっているのだと思います。
こういった癒着があった場合、お湯やドライヤーなどで温めて動かすというのが定番ですが、折れた方のパーツも太ももも固い材質なので「こりゃ温めてもダメだな」とあきらめ気味に動かしたら折れました。
でも実は、太ももはかなり固いのですがPVC。このシリンダーが挿してある部分はかなり厚みがあるのですが、根気良く温めれば破損を防げたかもしれません。厚みがかなりあるのでやっぱりダメかな?という気もしますが。


折れたパーツをアップで。ウォッシングのブラウンの塗料がベッタリ付いていますね。
折れた部分はピンが完全に根元から折れたのではなく、途中の細くなっている部分で折れてます。従って穴に残ったピンを除去してやり、折れずに残っているピンを延長して修理しました。
ピンの径は約3mmなので、3mmのピンバイスで掘る事でピンを除去します。


修理した状態のパーツ。折れた部分に1mmの真鍮線を挿して芯にします。その周りにWAVEの「黒い瞬間接着剤」を盛って固め、残っていたピンに合わせてヤスリで削って形を整えています。という事で黒い部分が修理した部分。

この修復したピンの太さ(穴に挿した時の勘合の具合)は緩めにした方が良いと思います。どうせこのパーツはシリンダーに繋がっているので、挿した穴で角度を保持出来る必要はありません。穴に挿して勝手に抜けなければ問題無いですし、ピンを自分で抜く事が出来るようにしておけば、膝関節を可動させる際は一旦これを抜き、膝を動かしたらまた挿してやるようにすればピンが再び破損する事はありません。そんな面倒くさい事をせずに挿したまま膝を可動させる事も可能なんですが、膝はラチェットが入っている都合、可動させる際に急にガクっと動くために力が掛かりがちなのでこの方が安全だと思います。
そもそもこのNECAのパワーローダー、そこそこ大きくてそこそこ重く、関節にラチェットがあるために普通の可動フィギュアみたいな感覚では動かせないので、これでも大差無いと思います(負け惜しみ)

まあ黒瞬着ってそんな頑丈なものではないので、もっと強度の出せる修理方法があればそのまま可動させても問題無いのかもしれませんが、私には良い方法が思いつかなかったのでこれで良しとしてます。

話を戻しまして膝の可動について。

膝はここまでしか曲がりません。もう少し曲がりそうなものですが、シリンダーがこれ以上縮まないので無理なんです。デザイン的にはもう少し縮みそうなんですけど、先ほどの例の破損したパーツとシリンダー本体との接続部分がある都合、これ以上シルバーのロッドが奥に入らないんですね。


先ほどの修理の話で書きました通り、私はこのシリンダーの根元を太ももから外せるようにしてます。で、外すとここまで膝は曲がります。なのでシリンダーが縮まないせいで膝はそこまで曲がらないというわけです。
あくまでシリンダーを外しているから出来る事であり、本来の商品仕様ではここまで曲げられないのでやらないでください。たぶんシリンダーが壊れます。


足首の可動。前後にここまで可動・・・と言いますか、ラチェット機構の都合、直立状態と画像のように前や後ろに傾けた状態の3段階でしか固定出来ません。前述のように股関節は実質あまり前後には動かせないのでこれで充分です。
足首の前方に付いている小さなシリンダーもきちんと伸縮します。

胴体


上部の回転灯はクリアーパーツですが、内部は空。このスケールなら、中身も再現して欲しかったですね。


火炎放射器は根元で回転可動します。


火炎放射器近くのロールバーは、シルバーで塗装剥げ表現が入っていますが・・・やっぱりイマイチ塗装剥げに見えない。


リプリーを搭乗させるためのロールバーの可動。
上面のアンテナが引っかかってしまうのでここまでしか上がりません。この状態でもリプリーを乗せる事は出来ますが、このアンテナは外した状態でパッケージされているので取り外し可能ですので、一旦外してもっと上までロールバーを可動させてやった方が乗せやすいです。


背もたれや、脚が納まる部分のクッション状の部分は軟質素材。色は成型色のままですが、これはこの質感で正解でしょう。


ベルトはこんな構造で、真ん中の金具のピンで留めます。

リプリー搭乗


脚のベルトにリプリーの足首を通し、


先ほどのベルトを留めてロールバーを下ろせば搭乗完了。ベルトはかなりタイトなので、ベルトを締める事で本当に固定されます。

乗せるのは問題無いのですが、難ありなのが手首です。

冒頭で書きましたように、このパワーローダーには操縦桿を握るための手首が付属していますが、これが欠陥あり。
まずこの手首パーツ、リプリーに元々付属している手首に比べて腕から外れやすい。理由は単純で、接続ピンを挿すための穴が浅い。なのでこの手首パーツは、ピンバイスで少し穴を深くしたほうが良いです。これはまあ、穴を深くしてやれば解消出来る欠陥です。

問題なのが手首の角度。

手首だけを操縦桿に取り付けた状態。見ての通り、手首の後ろ側が下を向いてしまっています。リプリーの腕とパワーローダーの腕の位置関係からすると、手首の後ろが上を向くべきだと私は思います。
なお、操縦桿は溝にそって前後にスライド可動出来ます。


操縦桿を掴んだ状態。
全く掴めないわけではないのですが、手首の角度のせいで掴み難い。特に右手が掴み難い。

リプリー搭乗状態での可動

リプリーの可動はいつものNECAクオリティで大して可動しません。そのリプリーを乗せたらパワーローダーの可動はどうなるのか?と思うところですが、これについては問題ありません。
まず下半身に関してはそもそも大して可動範囲が広くないので、リプリーの可動範囲でも問題なく追従出来ます。
上半身は、腕を横に広げるのはちょっと可動範囲が狭くなる程度・・・のはずなんですが、手首が問題。手首の角度が悪いせいで、きちんと操縦桿を掴んだ状態で出来るポーズは結構限られてしまいます。
手首がねえ・・。

総評

全体としては、予想していた以上のクオリティと言って良いかと思います。
合わせ目の無い構成、動くはずの部分は全部動く広い可動範囲。本体色のイエローが成型色なのはちょっと残念ですが、塗装剥げを心配せずに動かせるという点とトレードオフとも言えますかね。(生き物の肌はともかくメカは塗装で合って欲しい感はありますけど。)
それだけに、ツメの甘い部分が非常に惜しい。チューブが千切れたのは私の不注意(座らせた)だとしても、シリンダーの根元の癒着は「組み立てた状態でウォッシング」という愚行をやらなければ防げたはずです。
何とか自分で修理出来たから良かったですが、シリンダーが速攻で壊れた時本当にがっかりしましたもの。
そして手首パーツ。わざわざ操縦桿を掴む為に新規で作っておいて、うまく掴み難いなんて。原型とか試作品を作った段階で問題ありだと思わなかったのかと。

この大きさでパワーローダーを商品化するというのは国内のメーカーではまず無いであろう、海外メーカーだからこそなんですけど、そういったツメの甘さというかテキトーなところがあるのもまた、やっぱり海外メーカーならではと思いますね。


手首こそ残念ではありますが、破損しやすい部分に気を付ければ(あるいは破損しても自分で修理出来れば)全体としては良く出来ていると思います。NECAのエイリアンがこれだけ充実してくると、ましてクイーンが既にあるとなるとやっぱりパワーローダーは欲しいところですし、それがきちんとシリンダーも含めて可動する製品として出てくれたのは本当に嬉しい。クイーンを既に持っているならリプリーと併せて押さえておきたい一品でしょう。

再三になりますが、シリンダーが破損したらどうにも出来そうにないという人はともかく、そうでなければオススメですよ。
以上、NECAのパワーローダーのレビューでした。

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