AVPエルダーのレビューから時間が空いてしまいましたが、同じくシリーズ17で登場となったヤングブラッド プレデターをレビューします。
商品名:プレデター 7インチアクションフィギュア シリーズ17「ヤングブラッド・プレデター」
メーカー:NECA(ネカ)
キャラクター原作:映画「エイリアンvs.プレデター」
映画劇中、ラウル・ボヴァ演じるセバスチャンがピラミッド内の古代文字などから事の経緯を悟り、ハンター(プレデター)とサーペント(エイリアン)と古代の人間の関係を説明する場面で、ピラミッドの上でエイリアンの首の刺さったスピアを掲げて雄叫びを上げていた、エイシャント・プレデターの1人。
内容
本体、セレモニアルダガー(短剣)、バックパックとプラズマキャノン、リストブレードx4、エイリアンの生首が刺さったスピア、となっています。
本体
映画AVP劇中のプレデターなので当然AVP素体。基本的な構造はシリーズ14のスカープレデター等と同じ。新規のパーツはエイリアンの首が刺さったスピアと頭部くらいなものです。
発売前に出ていた公式の画像でもそうであったように、色はピカピカのシルバー。他のAVPプレデター達の鎧は暗いグレーの成型色の上からシルバーでドライブラシとなっていましたが、このヤングブラッドの鎧はドライブラシではなく完全にシルバーで塗装されています。なので奥まったところまで全部シルバー。
肌の仕様は他のAVPプレデター達と同じく手首だけ成型色で他は塗装となっています。
※額は傷無しのマスクになりました
公式の画像ではマスクの額にはスカーと同じ傷(エイリアンを倒した証)が刻まれていて、「シリーズ15のスカーのマスクの使い回しの手抜きかよ」と思わされたのですが、実際の製品ではきちんと傷のないマスクに変更されて一安心です。これでこのパーツ使い回しで傷無しのスカーも出ないかな?と期待してしまいますが果たして・・。
他のプレデターと比較
他のAVPプレデターを代表してシリーズ15のスカーと並べてみました。
こんなにもピカピカのシルバーとなっています。
ピカピカのシルバーといえば、という事でシリーズ12のエンフォーサーと並べて。シルバーの色味は近いです。
各部
頭部
前述の通り額に傷の無いマスクとなっています。それ以外の形状はスカーと同じのようです。ひょっとしてシリーズ15のスカーの金型を修正してこれに変えてしまったのかも。
バックパックとプラズマキャノン
バックパックは他のAVPプレデターと同じ。プラズマキャノンはケルティックやピラミッドガードと同じもの。
この仕上げがちょっと謎。
本体のアーマーはピカピカのシルバー全塗装なのですが、バックパックとキャノンだけは他のAVPプレデターと同じく濃いグレーの上からのドライブラシという仕様なんです。なのでここだけ本体と違って凹凸のメリハリが付いているという謎な仕上げです。揃えれば良いのに。
胴体は右側と真ん中だけ前半分のアーマーがありません。ピラミッドガードやテンプルガード、あとはダメージケルティックもそうでしたね。
腕
腕は左右ともリストブレード装備となっています。AVP素体はシティハンターやジャングルハンターと違って下腕本体と側面に付けるリストブレードやリストコンピューターのパーツが別々になっているので、下腕本体は他のAVPプレデターと同じで、左も右と同じリストブレードのパーツが付けられているという構成のようです。
このプレデターはリストコンピュータが無いんですね。ステルスは使えないという事なのかな?
下半身
下半身はスカーと全く同じ形状。アーマーの色がピカピカである以外は、相違点はありません。
エイリアンの頭部の刺さったスピア
スピア本体はABS製ですがエイリアンの頭はPVCのムクのようで重たいです。
エイリアンシリーズ7のAVPウォーリアーやダメージケルティックとセットの方のグリッドエイリアンとは違い、頭部のドームはクリアパーツではなく塗装。そのドームから突き出たスピアの先は頭部と一体のPVCのためにシャープではなく、刃側面の穴も埋まってしまっています。
他のプレデターに付属の普通のスピアと違い、赤丸で示した部分でパーツが別になっているようです。私が状態の悪いものを引いただけかもしれませんが、ここで曲がってしまっていますし、そもそも位置が真ん中になっていない。これって接合のダボがオフセットされていて、左右を逆に接着してしまっているのかもしれませんね。
エイリアンシリーズ7のグリッドエイリアンの頭部を外して並べてみました。かつてのシリーズ11のワスププレデターのナギナタに刺さったエイリアン頭部もそうだったので予想はしていましたが、このスピアに刺さったエイリアンの頭部は少し小さいです。
左手が武器持ち手になっているので持たせられる・・・のですが、これもワスプと同じでエイリアン頭部がPVCのカタマリで重いため、手首が重さに耐えられずにクルクル回ってしまうので保持出来ません。ワスプのナギナタよりもこのスピアの方が細いので、最悪スピアが曲がったり折れたりしかねませんので、劇中のように頭上に掲げるのはやめておいた方が良いでしょう。
ワスプもそうだったのですけど中途半端なんですよねこの生首スピア。
エイリアン頭部がプラスチックなら中空にして軽く出来るのでしょうけど、それだと合わせ目が確実に見えますから、それはそれでイヤです。なので保持できないのはもうあきらめるにしても、それならそれで頭の大きさは先にでたAVPウォーリアーと同じにして欲しい。同じパーツを使って千切れた首元とドーム部分だけ新しいパーツ、という構成にして欲しかったです。
良くない点
色移り
他のAVPプレデターと違い、このヤングブラッドはシルバーが色移りします・・・というか最初から色移りしてしまっています。
太もものアーマーのベルトを少しずらして撮ってます。ネットの表面にシルバーが付いてしまっていますね。
アーマーは他のAVPプレデターと違って全部塗装なので、裏側までシルバーで塗られています。
で、このベルト部分。側面にシルバーが見えていますよね。このベルト裏側がシルバーなんです。
おそらくパーツ全体をシルバーで塗装した後、ベルトだけブラウンで塗り分けているのでしょう。ところがベルトは表面側だけしか塗装されておらず裏はシルバーのままなんですね。
こういう擦れるところで裏側はメタリック塗装にしてはダメですよね。色移りするに決まっている。しかもこのベルトって裏がシルバーである必要が無いわけですから本当にやるせない。
リストブレードの接続が緩いものがある
これがすごく謎です。リストブレード自体はケルティックとかピラミッドガードに付いているものと同じ・・・のように見えて実は微妙に根元が細いものが混ざっているのです。
4つの内2つだけが根元が細くて緩いのです。これは一体・・・?
これは素人の勝手な予測ですけど、ケルティックやピラミッドガードで使っていた型だと1ショットで2本しかブレードが作れないから、金型にもう2つ新たにブレードを付け足したのですかね・・?で、それが何故か根元が緩いっていう事かな。
組み立てやパッケージングの過程ではこの2種のブレードを区別していないかあるいは区別できていない(笑)かも。なのでひょっとしたら4本とも緩くないとか、あるいは3本も4本も緩いとか、そういう個体もあるかもしれません。
予測なので定かではありません。が、いずれにしてもこんな緩いブレードなんて外れやすいだけで何のメリットもないので、緩くないブレードを4つ付けて欲しかったです。
総評
余計な謎仕様がダメですね。
基本的にはいつも通り。バックパックが邪魔で頭部があまり動かないとか、パイプが抜けやすい、バックパックも抜けやすいという欠点はありますが、造形はしっかりですし可動もきちんとしてます。
リストブレードが緩いのは完全に謎なんですけど、シルバーの全塗装はそもそも蛇足。ピカピカのシルバー自体が悪いわけではないのですが、別に他のAVPプレデターと違う仕様にする必要が無い。その余計な事をやった結果に色移りなんですから、本当に余計な事してくれたなと。
ちょっと脱線しますけど、そもそもシリーズ15のピラミッドガードとテンプルガードの時点で他のAVPプレデターと違う色にした意味が分からない。エイシャントプレデターだから少し変えてみる、というのも悪くはないのですけど3人とも同じ色にして欲しかった。この余計な色変えの発想が無ければ、ヤングブラッドはシルバー全塗装になっていなかっただろうし、色移りも無かったのでは?
スピアに刺さったエイリアン生首もちょっと残念。保持できないのは、まさか手首を固定にするわけにもいかないと思うのでしょうがないと思うのですが、大きさはAVPウォーリアーと合わせて欲しかったですね。
とまあ謎仕様が残念ではあるのですけど、劇中ちょっとしか出てこないエイシャントプレデターを3体とも商品化してくれたのは嬉しい。こういうところはやっぱりNECAじゃないと出来ないなと思います。
両腕リストブレードというと、シリーズ12のヴァイパーもそうだったのですが、あちらは旧素体で腕の可動はイマイチ。それに比べて現行素体であるこのヤングブラッドは腕の可動範囲が広いので実に遊べる。
X-MENのウルヴァリンとかあるいはキン肉マンのウォーズマンのように、両腕にツメが付いているとやりたくなる構え方というか、そんなポーズがきちんととれるのは嬉しい。本当、NECAのプレデターがちゃんと可動するようになって良かったな、なんて改めて思いますね。
以上、NECAのヤングブラッドプレデターのレビューでした。
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