これも発売から時間が経ってしまって今更レビューです。カプコンの「エイリアンvs.プレデター」の主人公キャラの一人。
- 商品名:エイリアン vs プレデター アーケード/ 7インチ アクションフィギュア「ウォーリアー・プレデター」
- メーカー:NECA(ネカ)
- キャラクター原作:ゲーム「エイリアンvs.プレデター」
なおゲーム内での呼称は「プレデターウォーリアー」なんですが、このフィギュアの商品名は「ウォーリアー プレデター」。
内容
本体
バックパックを付けていない背面はこんな感じ。
肌が成型色でそれ以外は塗装という仕様です。本体はアルティメットジャングルハンターと同じものですが、手首はヒンジ可動が入った関節に変更されています。同じ素体で先に発売されたアルティメット エイハブ・プレデターもこの仕様でした。
(アルティメットジャングルハンターも再販分はこの手首の仕様になっているらしい。)
このフィギュアは「アーケード・アピアランス」枠という事でゲーム内のドット絵をイメージした陰影やハイライトが塗装で入っているという仕上げになっています。
先にレビューした同時発売のプレデター・ハンターや、同ゲームのエイリアン達はそこまで陰影やハイライトが描かれたような塗装という訳でもなかったのですが、このウォーリアーは思いっきり陰影やハイライトが描かれた塗装。私はこの塗装が大嫌い。非常に不自然な見た目。ただ、色そのものはゲーム内のドット絵の色をよく再現してはいます。でもアーマーの色は全体的にグレー過ぎます(詳細は後述)。
各部
アーマー部分の塗装は濃淡5色のグレーで塗装されています。立体、しかも可動するフィギュアに極端な陰影やハイライトを塗装で入れてしまうというこの塗装が私は嫌いなんですが、その好き嫌いを抜きにしてもこの仕上げはダメダメだと思います。
ゲーム内のドット絵をイメージしているはずだと思うのですが、ドット絵と比べて陰影が極端すぎる。
ドット絵ではアーマーの色はこのフィギュアのグレーの一番明るい色くらいの明るさで描かれている部分がほとんどで、最も暗いグレーくらいの色なんて奥側の手足くらいにしか使われていません。
しかもアーマーはこんなにも極端に陰影が入れられているにも関わらず、肌の部分は筋肉の隆起の形に合わせて奥まった部分にシャドーが吹かれているだけ。肌の部分も同じくらいに陰影が入っているべきでは?
あと気になるのがグレーの濃淡5色のちょうど中間である3段階目のグレー。この色だけなぜか色味が暖色なんですよね。
下半身も、やはりアーマーだけ陰影が極端に塗られています。すねのアーマーなんて前後のごく一部の面積以外は暗いグレー。ゲームのドット絵はこんなに暗く描かれていないのに。
ハンターもそうですが、左腕のガントレットは開閉出来るものの中は塗り分けられていません。
リストブレードはやはりハンターと同じく真っ白。ドット絵では確かに白いですけど、でも白と言ってもアーマーと同じ色なんですが。
ドレッドヘアは髪飾り?の輪っかもグレー。ゲームのドット絵でドレッド全体が黒とグレーだけで描かれているのを意識しての事でしょう。
付属品
スピア
シティハンターなどと同じもの。ゲーム内の色に合わせてブラウンに塗装されています。
明るいブラウンで点が描かれているのですが、これが意味不明。ゲームのドット絵でハイライトはこんな風には描かれていません。もっと広い面積が明るいドットで描かれているのに。
ちなみに裏側は、先端部分しかこの明るい色が塗られていません。何故かは分かりませんが。
スマートガン
エイリアン2のバスクェスのスマートガンと同じもの。
上面と下面は真っ黒で、側面の表面のみ上からグレーが塗られています。
ハンター付属のパルスガンもそうですが、スマートガンはゲーム内で上面や下面が見えるグラフィックは存在しません。なのに何故か真っ黒。ドット絵で丸みを出すための縁の陰影を表現したいのかもしれませんが、それならエッジだけブラックを残す方が自然でしょう。エッジと奥まったところだけブラックを残す塗り方で全面とも同じように塗れば良いと思う。
持たせた状態。ゲームではスマートガンはもっと大きいのですけど、映画とは人間やプレデター、武器の大きさの対比が違うからでしょうね。ゲーム内ではプレデターは銃の下のグリップを掴んでいるような見た目なんですが、あれはスマートガンもパルスガンも持つ時のグラフィックが同じ都合でしょうし、ゲームでも敵の兵士は映画と同じようなスマートガンの持ち方なんでこれでも良いと思います。ゲームでも本当はこういう風に持たせたかったんじゃないか、と。
可動について
可動については現行のジャングルハンター素体の他のフィギュアと同じですので、具体的な可動範囲についてはアルティメットジャングルハンターのレビューやゴースト・プレデターのレビューをご参照ください。
ジャングルハンター素体はシティハンター素体と比べて腰のボロ切れの存在やプラズマキャノン周り・パイプの存在から可動範囲が狭い。
NECAのフィギュアではシティハンター素体となったプレデター・ハンターに比べると可動範囲は当然狭く、ゲームの技の再現はちょっと厳しいです。
ニュートラルモーションのつもり。
通常攻撃。やられ役としてビッグチャップと並べてみましたが、なんか頭をコツンとやっているみたいな絵面になってしまった。
連続技の2段目。スピア所持でも同じモーションで槍を前に突き出しているのですが、手首の向きの問題でスピア持ち状態は再現できないのでスピア無しで。左腕はパイプがあるためにここまで腕が上がらないので、左右逆向きは再現不可能。
連続技の3段目(スピア所持)。
ウォーリアーの技で印象的なものの一つ。掴み技のアッパーと同じモーションでスピアをクルっと回して切り裂く。
流石にこのポーズでの自立は無理なんで透明なプラケースで強引に支えています。
連続技の4段目(スピア所持)。
どうせプラケースで支えてしまうなら、とこれもやってみました。
こうやってみると結構ゲームの技を再現出来るのではありますが、股関節の可動範囲が狭いのでスライディングはもちろんのこと、ジャンプ攻撃やダブルキックは無理です。
総評
ハンターの方は実際に手に取ってみるとそこまで悪くないという感はあったのですが、ウォーリアーの方は予想通りのガッカリさ。このカプコンAVPからフィギュア化された中でももっとも微妙な製品だと思います。
この陰影やハイライトが入れられている(でもゲームのドット絵とはかなり違う)塗装が気に入ったという人でない限り、あんまり存在価値が無いように思えます。というのもこの商品のみの新規パーツというのが一切無いんですよ。
この塗装が気に入らないので塗り直そうと考えた場合、それならアルティメットジャングルハンターにシティハンターのスピアを持たせれば良いだけじゃない?という話になる。肌の色はアルティメットジャングルハンターだとちょっと黄色過ぎはしますけど。
これがプレデター・ハンターの場合、シティハンター素体じゃなくてジャングルハンターをベースに自分で塗装して自作したいとなってもナギナタがあるので買う価値はある。
マッドプレデターも新規のパーツは無いのですが、他のジャングルハンターの肌を青に塗るのは大変だと思う。肌を全部自分で塗装となると塗装剥げが怖くて動かせなくなってしまうし、もちろん肌は成型色の方が質感も良いと思う。なのでマッドプレデターもやっぱり最初からマッドプレデターを買った方が良いと思います、アーマーは普通の塗装に自分で塗り直してしまうにしても。
この変な塗装じゃなければ、新規パーツなんて無くても私にとっては十分に意味のある商品化だったんですけどね。ゲームのグラフィックの印象だとアーマーはシルバーというよりも白っぽいグレーだし。
くどいようですが本当にこの塗装は蛇足ですよ。せっかくすでにエイリアンがクイーンも含めてフィギュアが発売されているのに、こんな塗装にされたら一緒に並べてられないじゃありませんか。先のエイリアンと並べた画像を見ての通り、一緒に並べると凄く浮いてます。ハンターはまだそうでもなかったのですけど。
以上、NECAのプレデター・ウォーリアーのレビューでした。
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