レビュー:NECA ゴート クラシック プレデター(ジャングルハンター) SDCC2011限定品


2011年発売と結構古いフィギュアのレビュー。
SDCC(サンディエゴコミコン)2011限定品として発売されたゴートマスクのジャングルハンター。限定とは言っても日本では豆魚雷が代理店となって普通に販売されました。

商品名:プレデター7インチアクションフィギュア「ゴートクラシックプレデター」
メーカー:NECA(ネカ)
キャラクター原作:映画「プレデター」

※2017年7月19日追記
「30thアニバーサリーシリーズ」で、第3世代の新しい素体でゴートマスクプレデターが再商品化されています↓
新素体のゴートマスクジャングルハンター(30thアニバーサリー)のレビュー
今からゴートマスクのジャングルハンターをお求めなら、きちんと可動するこちらの方がオススメです。



本体

 


シリーズ3の、まだ旧素体だったころのジャングルハンターをベースに頭部と左手のみ新造したのがこのフィギュア。
あと付属品で血まみれの骸骨が付いてます(解説は後述)。
他のジャングルハンターと同じくバックパックは取り外し可能で、外れた状態でパッケージに入っていますが、形状的にはシリーズ8のジャングルハンターと同じなので外した状態の写真は撮っていません。

ジャングルハンターは映画第1作「プレデター」に登場するプレデターですが、こんなマスクのものは劇中に登場しません。
じゃあこれは何なのかと言いますと、ボツになったデザイン。当初はこのマスクで撮影用スーツが作れられましたが、マスク部分だけ作り直されてあのプレデターのマスクとなりました。

続編「プレデター2」の最後に登場する多数のプレデター(ロストクラン)の内の1人は(NECAでは「ガーディアンプレデター」として商品化。これについても後述。)このボツになったマスクが流用されていました。ロストクランのプレデター達はファンの間であだ名が付き、このマスクのプレデターはゴート(GOAT ヤギ)と呼ばれていました。なのでゴートマスクというわけです。

各部

頭部


ジャングルハンターとの一番の違いである頭部。ちょっと毛色の違うデザインでディテールが細かい。ボツになったというデザインですが、これはこれでカッコ良いですよね。


肌は成型色ベースの仕上げとなっていますが、シリーズ3やシリーズ8のジャングルハンターに
比べるとツヤが抑え目。(比較については後述)
そして肌各部の茶色い部分がかなりグレーっぽい色になっています。
確かシリーズ3でジャングルハンターが出るより先にこのゴートマスクが発売になり、
シリーズ3を買った時に「随分仕上げ方が変わったな」と思った覚えがあります。


肌は成型色ベースなのですが、下腕だけは肌が塗装になっています。何とも中途半端。


さらに左腕は、新造された手首も肌が塗装です。


写真だとちょっと分かり難いと思いますが、太ももと質感を比べてみてください。手首は塗装になっています。
下腕だけ肌が塗装と言う時点で中途半端。手首は右だけ成型色で左は塗装とさらに中途半端です。なんでこういう事をやるのかな、という感じですね。

ちなみにこの左手首は、後のシリーズで「シャドウプレデター(スネーク)」「ガーディアンプレデター」「シティハンター(マスク有り)」のスピア持ち用の左手として流用されました。
そのためこの3体は左手だけデザインがジャングルハンターになってしまっています。このゴートマスクジャングルハンターに左の持ち手が付属しなければこんな事にはならなかったのかな、なんて思いますね。

アーマー


マスクの頭頂部や各部アーマーには弾か何かが当たった痕・・・かな?そんな感じのウェザリングが入っているのですがこれが不自然。フチにボケがなく境目がハッキリしているので何だかペイント弾でも当たったかのような感じでカッコ悪い。シリーズ3のジャングルハンターからはこの表現はかわり、ボケたスス汚れのようになりました。(詳細は後述の比較画像で。)

可動

上半身はシリーズ8以降のジャングルハンター新素体と同じなのでシリーズ8のレビューをご参照ください。
下半身はシリーズ3までのプレデター達共通の構造。ハッキリ言ってダメダメな構造です。


股関節は回転可動するのみで、腰のボロきれごとバッサリと切られているという分割。


回転可動だけなので、脚を前に出したら左右に開いてしまうという融通の利かない構造。さらに腰のボロきれの一部が太ももと一体成型のため、可動させるとボロきれの一部がどこかへ行ってしまう事に。
この時点でかなりダメダメなんですが、脚を開くと膝から下があらぬ方向を向いてしまうのでこれでは立てません。じゃあどうするかと言うと・・・・

太ももの真ん中がぶった切りにされていて、ここで回転して膝から下の向きを変えるという最悪な構造。
太もものディテールはズレるどころか思いっきり段差になっています。可動範囲狭くて融通は利かないくせに、股間も太もももいかにも
「ぶった切りました」という見た目も最悪な構造。でも昔のNECAのフィギュアってこういう股関節の構造のものが少なくなかった。

シリーズ3やこのゴートマスクを買った時「造形は非常に良いのに可動、特に股関節は最悪。なんて惜しいのだろう」と思っていましたので、シリーズ4のプレデター2から改善されたのは非常に嬉しかったです。まあそれでも上半身の可動は日本の可動フィギュアに比べるとまだまだですけどね。

という事で、可動は上半身も下半身もイマイチです。

骸骨


付属品の背骨つき骸骨。
プレデターのフィギュアには嬉しい附属品の一つ。後に発売されたトロフィーウォール ジオラマにディスプレイ可能です。


左手に持たせる事も可能。

他のプレデターと比較


まずはシリーズ3の「クラシックプレデター」


肌はどちらも成型色ベースですが、ツヤも色も結構異なる仕様。


前述の通り、弾の痕のような汚し表現は異なっています。あとアーマーの色もシリーズ3の方が茶色っぽい感じです。


仕上げ的にはシリーズ3とあまり変わりないのですが、いちおうシリーズ8のジャングルハンターとも比較。シリーズ8からは新素体なのでちょっと身長が高いです。


シリーズ8ジャングルハンターは弾の痕みたいな汚しが無くなっていますね。


最後に同じマスクであるガーディアンプレデターと。ガーディアンはマスク以外、「プレデター2」の主役「シティハンター」と同じです。


マスクは全く同じもの。
元々はジャングルハンターのマスクであったゴートマスクですが、シティハンターのボディとも親和性が高いデザインだと思います。

AVPのケルティックプレデターとか、ケナープレデターの一部のマスクってこのゴートマスクがあったからこそ生まれたデザインですよねきっと。
もしNGデザインにしか過ぎなかったこのマスクが、プレデター2のガーディアンプレデターとしてほんの僅かとはいえ劇中に登場した公式の存在になっていなかったら、このマスクの系譜は存在しなかったのかもしれません。
やっぱりジャングルハンターマスクがプレデターの基本とは思うのですが、このゴートの系譜もこれはこれでカッコ良くて好きです。

※追記 30thアニバーサリーの新素体版と比較

2017年にきちんと可動する新型素体でアルティメットジャングルハンターが発売となり、プレデター30周年記念のシリーズ「30thアニバーサリー」で、この新型素体を使ったゴートマスクが発売になりました。


右が新型素体版です。新素体版の方が肌の色が黄色く、アーマーもカッパーっぽい色味のあるシルバーとなっています。可動に関しては雲泥の差で、NECAのプレデターは3世代目にしてようやく日本のメーカーの可動フィギュアと同じくらいの可動範囲を手に入れました。

総評

旧素体なので可動はダメ。股関節周りに関しては見た目も悪いです。造形はもちろん良く出来ているのですが。

プレデター2の「ゴート(ガーディアンプレデター)」はともかく、NGマスク版のジャングルハンターというのは貴重な商品化、と発売当時は言えたのですが、30thアニバーサリーの新素体版が発売された今となっては、あまり存在意義の無いフィギュアとなってしまいましたね。

以上、ゴートマスククラシックプレデターのレビューでした。

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