NECAのプレデター シリーズ16からゴースト・プレデターをレビュー。
商品名:プレデター 7インチアクションフィギュア シリーズ16「ゴースト・プレデター」
メーカー:NECA(ネカ)
キャラクター原作:映画「プレデター」
シリーズ16の3体は発表当初とは仕様が変わり、何と新規の素体。つまりこのゴーストは「アルティメット・ジャングルハンター」に先駆けての新型ジャングルハンター素体となっています。
※2017 5/19追記
ネックレスが欠品だった旨を追記。
※不良品でした
私が最初に入手したこのゴースト プレデター。実は部品に欠品がある事にレビュー後に気が付きました。
この胴体に付いている牙で出来たネックレスのようなもの。これが欠品でした。購入したお店で交換してもらう事が出来ましたが、このレビューは交換前に書いたものなので、以下の画像は全てこのネックレスがありません。その点をご承知ください。
内容
本体、バックパック、マスク、刀(ナタ?)、スピア、ディスク、とNECAのフィギュアとしては付属品が多いほうでしょうか。
マスクは着脱可能な仕様です。
全体
肌は成型色ですが、手首とその根元だけが塗装という仕様になってしまっています。その肌はパールがかかっているという珍しい仕上がり。
今回のシリーズ16の3体はかつてケナーから発売されていたアクションフィギュアのプレデターをNECAがアレンジして商品化したもの。しかしケナーに「ゴーストプレデター」という名前のプレデターは存在していません。でもこれはNECA側で今回名前を付けたもので、この元になったプレデターはケナーのフィギュアの中にありました。
ケナーのフィギュアで、「ウルティメイト・プレデター」という、通常のラインナップよりも大きなサイズで発売された、ジャングルハンターに近いデザインのプレデターがありました。この「ウルティメイト」はシリーズ12のヴァイパープレデターみたいな色なんですが、このプレデターと同サイズのエイリアンの2体セットという商品が後に発売されました。(国内で発売されたのかは不明)その2体セット版のプレデターがこのゴーストの元ネタだそうです。
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ちなみにゲームの「コールオブデューティ・ゴースト」にプレデターが出てきますけど、あれとは関係ないです(笑)
一足先にアルティメット素体!!
冒頭にも書きましたが、シリーズ16は発表当初、既存のジャングルハンター素体・シティハンター素体の流用でした。その時点ですでにいわば次の世代の素体であるAVPのプレデターがシリーズ14で発売済み。さらに同じくケナープレデターであるクランリーダーはそのAVP素体で発表だったにも関わらず。私はその時かなりがっかりしました。それならAVP素体使うなり、あるいはアルティメットのジャングルハンターやシティハンターの後に出せばいいのに、と。なので当初はシリーズ16は見送る予定でした。
ところが発売前に出た画像を見たら、まさかの新素体に仕様変更。シティハンターはともかく、アルティメットのジャングルハンターはまだ予約も始まっていなければ詳細も出ていない(イベントでの展示のみ)ので、よもやこんな事になるなんて思いもせず、それを知った時はすごく嬉しかったです。だってケナープレデターなんて今後2度と同じキャラが再商品化なんてありえないですから。
前置きが長くなりましたが、このゴーストプレデターは今後出るアルティメットジャングルハンターに使われるであろう新規の素体、言うなれば3世代目のジャングルハンター素体となっており、可動のスペックはAVP素体のプレデターと同レベルになっています。詳細は後述。
大きさ比較
左はAVP素体を代表してシリーズ15のマスク付きスカー、右はシリーズ8のジャングルハンター。
AVP素体はそれまでのNECAプレデターの素体よりも身長が高いですが、今回の新型ジャングルハンター素体は別に身長が高くなってはいません。NECAの公式ツイッターで「AVPのプレデターは他よりも身長が高いと解釈している」という旨のツイートがありました。AVP素体は可動のスペックを上げるために身長が高くならざるをえなかったのかな?なんて思っていたのですが、そういうわけではないようです。
という事で可動範囲の差異はあれど、旧素体のプレデター達とも問題なく並べられます。
各部
各部について可動も含めて解説。一世代前のジャングルハンター素体との違いは胴体と腕だけで、下半身に関しては変わっていません。
頭部
運悪く組み立てが甘い個体を引いてしまったようで合わせ目が目立ちますが、頭部のパーツ自体はこれまでのジャングルハンター素体と同じもののようです。
目はハイライトまで塗装で入っており細かい。同じ造形なのに妙に目つきが優しそうに見えます。いい人そう(笑)
可動についてはこれまでと同じ。残念ながらやっぱり首の根元に可動はありません。まあAVP素体でもそこは変わっていなかったので、やっぱりという感じですが。
腕
新型素体の最も大きな変更箇所である腕。
AVP素体同様に、上腕に回転可動が入り、肘が2重関節化されています。リストブレードが伸縮可能なのはこれまで通り。
腕を上に上げるのはこのくらいが限界のようです。旧素体よりは上がりますが、欲を言えばもう少し上がって欲しかった。
2重関節なので肘はここまで深く曲がります。そして上腕は矢印の箇所で回転可能。
腕の可動範囲が飛躍的に上がり、ポージングの幅がかなり広がりました。
右肩のアーマーはジャングルハンターより大きなものが付いていますが、これはシリーズ10の「ハイブウォーズ・プレデター」やシリーズ11の「ワスプ・プレデター」と同じもの。腕にアーマーが付いているのではなく、胴体側のベルトと一体成型。
なので腕を回転させてみると・・・・
上腕の上部にはジャングルハンターの肩アーマーが付いています。これもハイブウォーズやワスプと同じ仕様ですね。あっちは旧素体ですけど。
もちろん左も大きく可動しますが、旧素体同様にパイプが千切れてしまわないように注意が必要です。特に肘は旧素体ではパイプを気にする必要がある程曲げられなかったので。まあパイプが切れてしまったらスプリングパイプ等に変えてやれば良いと思いますが。
旧素体と同じく、左肩アーマーは柔らかい材質で、多少は強引に曲げられます。
可動範囲の狭い旧素体ではあまり意味が感じられなかったこの仕様ですが、可動範囲が拡大した今回の素体でようやく活きてきました。上腕を回転させる際に可動の妨げになりません。
AVP素体同様に、リストコンピューターも開閉可能になっています。
右手が平手なので可動範囲を活かしてコンピューターを操作するポーズも可能です。
冒頭にも書きましたが、肌は成型色なのに手首は塗装。透明感が無くて質感が異なるどころか、そもそも色がかなり違います。さらに下腕の手首の根元部分(矢印で示した部分)はどうもアーマーのメタリックグレーの上から塗装されてしまっているのか、手首ともまた色が違ってしまっています。
可動範囲は向上しましたが、時々こういう部分でいい加減なのは相変わらず。
胴体
まず残念な箇所が一つ。胴体だけでなく腕や脚もそうなのですがネットのモールドがあるのに塗装がされていません。ヴァイパー、レネゲイド、クラックドタスク、ワスプ(胴体だけはネット塗装あり)と、どうも元デザインでネットが無かったプレデターはみんなこの仕様なんですよね。
まあ映画のプレデターではないキワモノのためにわざわざネット無しのパーツを作れというのも無理だろうとは思いますが、だからと言って塗装しないでネット無しだというのは無理がある。ワスプはともかく、ケナープレデターはそもそもNECA版はデザインがアレンジされているのですから、そこは別にNECA版はネットがあるんだ、という事でいいと思うんですよね。
そういえばこのネット、AVP素体ではかなり太いモールドになっていましたが、ジャングルハンター素体は新規になっても別に太くなったりしていません。
それはさておき本題は胴体の可動。新規素体では胸と腹が別パーツになり、ここがボールジョイントで可動になりました。
そしてもちろん回転させたり、横に傾けたりも可能。腰の動きと合わせることで胴体にヒネリのある動きをさせる事が出来ます。
AVPのプレデターと違って胸が全部アーマーで覆われてはいないジャングルハンターでは分割が出てしまうわけで、最初にこの構造を見た時(イベント展示のアルティメットジャングルハンターの写真を見た時)、「見た目を崩してまでこの可動は必要かな?」と思っていました。が、実際に触ってみると隙間が目立たずに見た目が綺麗。AVPプレデターは胸と腰がプレート状の鎧で繋がっている都合あまりここの可動が活きていないのですが、それがないので大きく動かせてポージングの幅が広がっています。
もちろん見た目だけを考えれば旧素体の方が綺麗ですが、私はこっちの方が良いと思いますね。
胴体でもう一つ改良されたのが腰です。
旧素体は腹と腰の接合部が平らで、腰を回転させると見た目が不自然になる欠点がありましたが、今回は腹パーツが腰の中にめり込んでいる構造(要はシティハンター素体やAVP素体と同じ)になり、回転させても不自然になりません。
改良されているので、腰のボロ切れの部分は新規パーツとなっています。パッと見は同じに見えますが・・・・
旧素体(画像右はシリーズ8のジャングルハンター)と比べるとこのボロ切れはパーツ構成が変わりました。赤丸で示した部分を比べてもらうと分かるかと思いますが、旧素体ではボロ切れは腰パーツ本体にくっ付いておらず、軟質で曲がるので足を前後に可動させる時に邪魔になりませんでした。しかし新素体ではこのボロ切れはお尻まであるパンツ状のパーツになっているため、軟質とは言え脚を前に出す時に押されても逃げてくれません。
しかも軟質パーツの厚みが気持ち少し厚くて硬い上、太ももとの隙間も狭くなっています。
パンツ状になったせいで前方向にボロ切れが逃げてくれないので脚を前に出す可動は旧素体よりやや狭く、隙間が狭いので見た目は良いのですが、動かしていると結構ギチギチな感じで動かし難い。左右に脚を開く可動は旧素体とほぼ同じなんですが。
そして実はこのボロ切れ、造形については僅かに旧素体の方がシャープ。新素体は僅かですがダルくなってしまっています。
腹と腰の接続部が平らではなくなったのは文句無しに良い事なんですが、このボロ切れ部分の変更は正直蛇足だと思います。旧素体でも見た目は充分だったので、可動範囲を狭くしてまでこんな変更はして欲しくなかったです。
脚部
右太もものアーマーはディスクを納められるようになっています。これまでにもシティハンター素体のプレデター達を中心にここがディスクホルダーになっているプレデターは数多くいましたが、ゴーストのそれは新規のパ-ツになっています。
アーマーの下の方の形状が普通のジャングルハンターの太ももアーマーと通じる意匠なんですね。
ディスクを納めた状態。
丸で示した部分に引っ掛かりがあり、ディスクを納めるときちんとはまってくれます。これまでのNECAプレデターのこの部分はディスクをただ乗せているだけの状態で、両面テープでも付けないと勝手に外れてしまいましたが、そこが改善されました。とはいえ完全にガッチリ固定されてくれるわけではないので、動かしていると段々とディスクが浮いてきてしまったりします。が、それでもだいぶマシになってくれたと感じます。
まあこれはこのフィギュア用にNECA側でデザインを作ったからこそ出来た仕組みだと思うので、今後出るアルティメットシティハンターなどでこれは期待出来ないかも。
付属品
マスク
オリジナルのケナー版ではマスクは無かったらしいのですが、NECA版では独自デザインのマスクが付属。ヴァイパー・プレデターなどと同じく着脱が可能な仕様です。
裏側にもディテールが入っています。
装着状態。ヴァイパーもそうですが、着脱可能だとやっぱりマスク装着状態は顔が大きい印象に。映画のプレデターでこれをやられたらイヤですけど、ケナープレデターならまあ許される。
でも欲を言えば、やっぱり着脱式でない方が良かった。マスクのデザイン自体はカッコ良いと思います。
ディスク
新素体の可動範囲なら、ホルダーからディスクを取り出した瞬間のようなポージングも可能です。
テレスコーピングスピア
シティハンターなどが持っているのと同じスピア。相変わらず曲がってしまっています。何かうまく直せる方法があるといいのですが。
刀
メカニカルなデザインの短刀。シルエットや大きさからすると「刀」というより「ナタ」という感じがしますが、パッケージの表記だと「SWORD」です。
ナタというと「プレデター2」のエルダーのもの(ケナープレデターのクラックドタスクやラバプラネットにも流用されてました)を連想しますが、それとはまた別のデザインとなっています。
また、ディスクホルダーの上側の切り込みがこの刀の鞘というかホルダーとなっています。
バックパック
これまでのジャングルハンター素体のプレデターに付属の物と同じです。
プラズマキャノンの根元の部分だけグレーに塗り分けられています。今までのと何か変わったのかな?と思ったのですが、見比べてみると別に違いはないようです。
フル装備。ちなみに元になったケナーのフィギュアではマスクは無く、武器はディスクしかなかったようです。
総評
まだ先だと思っていたアルティメットジャングルハンター素体がこんな形で早く出るとは思いませんでしたね。手頃な大きさ・価格で緻密な造形できちんと可動する初代プレデターのフィギュア、これをどんなに待ち望んだか・・・・という言葉はアルティメットジャングルハンターが出るまで取って置きますけど(笑)、シリーズ1のクラシックプレデターを手にした時に「造形は本当に良いのにもったいないよな」というあの日の思いがようやく「昔の事」になってくれそうです。
※追記:現在はすでにアルティメットジャングルハンターも発売済みです⇒レビュー:アルティメットジャングルハンター
既にAVPのプレデターでこの可動スペックは体感しているのではありますが、やっぱりジャングルハンターできちんと動くのは感慨深いです。ただ、股関節周りのボロ切れの構成の変更は蛇足。ここは前のままで良かったのに・・。
それはさておき、
やっとこれで、プレデターのフィギュアが欲しいという人にはとりあえずNECAのプレデターを薦められますし、今後どんなプレデターが商品化されても私は喜んで買えますよ。やっぱり可動フィギュアは、これくらい可動してくれてこそです。
惜しむらくは既に旧素体で数多くのプレデターがNECAから商品化されてしまっており、その殆んどはとても新型素体での再商品化が見込めないだろうという所です。「プレデター2」のエルダーくらいは多分再商品化してくれるだろうと私は予想していますが、ケナープレデターであるハイブウォーズやレネゲイド、コミックのエンフォーサーなんかは流石に無理だろうと予想します。
本当、この素体でレネゲイドが欲しかったなあ・・・・。
それだけに、記事冒頭で書いたように今回のシリーズ16を土壇場で新素体に変更してくれたのは本当に素晴らしい。いつも以上に当初の予定から延期になりましたけど(笑)、英断ですよ。
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