PVCフィギュアやプラモデルの経年劣化・保管・取り扱いの注意点

完成品フィギュアやプラモデルの経年劣化について書きます。
このブログを始めて8年ほど。ブログにレビューを載せていないものも含めると相当数の完成品フィギュアを購入してきました。そんな中には保管の仕方でやらかしてしまって後悔しているものもあったりします。

完成品フィギュアって一度出荷された後に再生産がある事の方が少ないため、何年も経ってからもう1度買い直すというのが行い難い商品ですし、何よりせっかく買ったものが残念な状態になるのは悲しいですよね。
そうならないよう、参考になれば幸いです。

なお自分の経験を元に書いていますので、あらゆる製品全てに当てはまるかは分かりません。その点はご承知おきください。

変色

模型に限らずどんなものでも、時間が経つと微妙に色が変わってしまうものです。

【重要】経年による変色そのものは防ぎようが無い(はず)

経年による変色そのものは避けようがありません。置かれている環境によって変色の速い・遅いの違いや、変色の仕方は違いが出るだろうと思いますが、全く色が変わる事が無く何年も年月を経るという事はおそらくありえません。
変色そのものを防ごうというのは無理だと思います。

問題なのは不自然な変色です。
同じ色の部分が同じように変色している、つまり変色後も同じ色の部分は全部同じ色であるならさほど違和感は無いでしょう。しかし同じ色のはずの箇所が部分によって色が違っているのは違和感が大きい。

光が当たる部分とそうでない部分で変色の仕方が違ってしまった例

特に学校や会社などで窓から近い場所に長い期間ずっと同じ場所に置いてある事務用品とかPCやプリンタなどが、光が当たっているところだけ色が黄色くなってしまっている。
誰しもこういうのを見た事があると思います。

これはPVCでもやっぱりあるようで、蛍光灯から近い場所に長期間飾っておいたフィギュアが変色してしまった経験があります。


コトブキヤ製、「デッドオアアライブ エクストリーム2」のあやねのフィギュア。
ぱっと見でお分かりかと思いますが、脚の色が黄色く変色しています。
蛍光灯から近い場所に何年も飾っていたところ、正面側だけ変色してしまいました。後述のLEDの購入履歴から推測するに、どうやら10年くらい飾りっぱなしになっていたみたいです。


蛍光灯が当たっていた正面側・上面側だけ黄色く変色しています。
不思議なのは、脚だけで上半身は変色していないんですよね。何でなんだろう?脚だけ違う材質というわけでもなさそうなんですが。

蛍光灯よりLEDの方が変色し難いのかはまだ分からない

このあやねのフィギュアの変色に気が付いた直後に部屋の電気をLEDに変えました。部屋の蛍光灯の本体がもう古くなってしまっていたので買い替え時だったのもありますが、LEDの方が変色し難いという話をネット上で結構目にしたからです。
ただ、実際に変色し難いのかどうかは分かりません。もう部屋の電気のよく当たる場所に何年も同じものを置き続けるという事はしていないはずなので。そりゃ、しませんよ(笑)

ものによって変色しやすい・変色し難いがある

先程のコトブキヤのあやねの横に、同じデッドオアアライブつながりでマックスファクトリーの霞を同じ年月置いていたのですが、霞の方は変色していないようなんですよねこれが。


これだけでは「コトブキヤのフィギュアのPVCよりもマックスファクトリーのPVCの方が変色し難い」とは断言は出来ませんが、一口にPVCとは言ってもメーカーやものによって変色しやすいもの・変色し難いものもあるようです。

材質の違いによって変色の仕方も違う


これはバンダイ製、ROBOT魂の「フルアーマーユニコーンガンダム(ユニコーンモード)」。フルアーマーの装備を付けていないユニコーンガンダムのみの状態。2013年の5月に発売だったようです。


腕が一部、ピンク色っぽく変色しています。
この変色している部分とそうでない部分の違いは何かというと、おそらく材質の違い。白の成形色の部分でもPVC製の部分だけがピンクっぽくなってしまっています。


上腕はPVC製。下腕は側面のビームトンファー周りだけABSでそれ以外のはPVC製。PVCの部分だけ変色しているわけです。


足首の甲の部分もPVCなのでわずかにピンクっぽく変色していましたが、写真にはピンクの色味はうまく写りませんでした。しかしピンクっぽさは見えなくとも、白の色味が他の部分と明らかに違っているのは見て取れるかと思います。

購入当時、PVCの部分もABSの部分もパっと見はほぼ同じに見えるくらいに両者の色は近かったです。しかし素材が違うと経年での色の変化の仕方が違うためにこういう風になってしまいます。
それにしても、ホワイトの部分がピンクに変色しているのには驚きました。黄色く変色するというのはよくありますけどピンク。ユニコーンガンダムだけにサイコフレームかよ、という。

素材が違うために経年で色味が違ってしまうのは避けようが無い

先のコトブキヤのあやねの例のような、光が多く当たる部分とそうでない部分での変色の差は、保管の仕方で防ぐことは出来ると思いますが、このユニコーンガンダムのように素材の違いによる変色の差はおそらく防ぐ方法はありません。
しいて出来る対処法と言えば、変色してしまったら自分で塗装し直すくらいです。

可動フィギュアではPVCとABSの両方が使われている事は多く、PVCだからこそ小さいパーツでも摩耗しにくい関節を仕込む事が出来るというメリットがあったり、固定フィギュアでも脚だけ材質がABSもしくは他の部分より硬いPVCにする事で重さで脚が曲がってしまうのを防げるというメリットがあったりします。
同じ色の部分が部位によって材質が違っていてどちらも成型色のままという仕様の場合、このような避けようの無いリスクを抱えています。材質が違っても塗装されていればおそらくこんな事は無いと思いますが。

ものによって変色しやすい・変色し難いがある その2


これはROBOT魂のガンダムF91。古い方のヤツです。
2010年発売でしたが、私が購入したのは再販時なので2013年購入。つまり先のユニコーンガンダムと同じくらいの時期の製品。

ずーっと何年もユニコーンガンダムと同じケースの中に置いていました。このF91もホワイトはほぼ全部成型色で、材質はABSの部分とPVCの部分があるのですが、こっちは経年で材質の違いによる変色の仕方の違いは見られないのです。
同じROBOT魂シリーズで、同じ条件で保管していてもこんなにも違う。不思議ですね。

プラスチックの変色


コトブキヤのプラモデル、「電脳戦機バーチャロン」のテムジン (Ver.1P)。2009年の発売直後に購入して組んだもの。ゲート痕はやすりがけして1500番くらいまで磨きましたが合わせ目はそのまま。あとは部分的に足りないところだけ塗装しています。


気が付いたら上腕に黄色い線が入ってしまっていました。
まるで、流し込みではないプラモデル用接着剤で合わせ目を消した時のような変色の仕方ですが、ここに合わせ目なんてありません。


この上腕は中心の黒いパーツの上下に白いパーツをダボではめ込む構造。
※参考⇒テムジンの説明書画像(ホビーサーチ)

黒パーツのダボを白パーツ全体で受けるので、組む時にここにクラックが入っていたのかもしれません。組んだ時にはクラックなんて見当たらなかったように思いますが、そこだけが他よりも変色しやすいのかもしれませんね。


そう思ってよく見てみると、ゲートがあった場所やその処理でやすりをかけたところだけは少しだけ他よりも黄色っぽくなっていますね。


アンクルアーマーのグレーのパーツは、組んだ時点で矢印の部分が白化していました。見てみると、白化した部分が黄色く変色しています。

プラスチックは傷や白化した部分は他よりも変色しやすいと考えて良さそうです。
なお、ブルーやグレーの部分はこういった変色はとくに見当たりませんでした。やっぱりホワイトが変色しやすい印象。

PVCによる塗料の癒着

塗装されている部分にPVCを長時間接触させておくと危ないです。完全に乾燥しているはずの塗装であってもなぜか溶けてくっ付いてしまいます。塗装されているPVCでなくても、塗装されている他のものに接触させておくと危険です。

可動フィギュアの付属品は長期間持たせたままは危険


これはROBOT魂の龍王丸(魔神英雄伝ワタル)の剣です。


PVC製の手首に持たせて何年もそのままにしていたら剣の柄の塗装が溶けてしまいました。

手首は塗装されていないPVCですが、塗装された剣の柄に長時間接触でこういう事態に。
可動フィギュアはPVC製の手首に武器などを持たせられるようになっているものが多いですが、持たせたままで長期間置いておくのは危険です。

接触が起こらないようにポージングなども工夫を


これは以前にレビューしたfigma キリト GGOver.(ソードアート・オンラインII)の後ろ髪です。後ろ髪が襟に接触したままで動かさないままにしていたら襟のグレーが癒着してしまっています。

その後メラミンスポンジや目の細かい紙ヤスリでグレーだけを削って落としました。キリトの髪は単色塗装なので慎重に少しずつ削る事でなんとかPVCの地の色が出る事なく落とせました。髪がグラデーション塗装になっているフィギュアだと後から吹かれている色の塗膜が薄くて無くなってしまうので無理です。
ただ、これは色移りなんていうものではなく襟の形に塗膜が凹んでしまっています(写真は凹みがうまく写りませんでしたが)。このため元通りというわけにはいかず、凹みの中にはグレーが薄っすらと残ってしまっています。

このキリトをレビューしたのが2015年7月。この癒着に気が付いて写真を撮っておいたのが2018年の8月。レビュー後に全く触らなかったわけではなかったのですが、長くても2年しか経過していませんね。

可動フィギュアは飾っておくにしてもしまっておくにしても、塗装された箇所に他のパーツが接触しないように注意が必要です。見えない部分は構わないと思いますが。
パッケージ状態であちこちにビニールが挟んであるくらいですから、結構簡単に癒着は起こってしまいます。ポージングを工夫するとか、しまっておくなら頭部はいっその事外してしまうなどして癒着を防ぎましょう。

置く場所にも注意


これはROBOT魂のリーオー(新機動戦記ガンダムW)の足の裏。白い塗料がくっ付いてしまい悲惨な事に。
トイザらスのケースに何年も飾っていたらこうなってしまいました。トイザらスのケースはガラスの棚を任意の高さで取り付け出来るのですが、一番下の段と真ん中だけはガラスではなく外装と同じ化粧板の床。この白い塗装の化粧板の上に置いていたためにその塗装が癒着してしまったのです。

家具は塗装されているものが多いので、PVC製のフィギュアをおくときは注意が必要です。塗装されていないPVCなら置いていた場所の塗料が付着してしまっても最悪紙ヤスリで削って落とす事が出来ると思いますが、塗装されているPVCだと削り落とした後に自分で再塗装しなくてはならないですね。
やってしまった・・・・・・・・と思っていたのですが、癒着した白い塗装の端の方がペロっと剥がれかけているのに気が付きました。両面テープの強力なヤツを貼って剥がすを繰り返していると、少しずつ癒着した塗装だけ剥がれていきます。


で、綺麗に落とせました。最後に少しだけ白い塗料が残ったのですが、石鹸を付けて爪楊枝の先で擦ったら落とせました。写真は撮っていませんがもう片方の足裏もやはり白い塗料が癒着しており、そっちは最初から石鹸を付けて爪楊枝でやったら割と早く落とせました。最初からこれで良かったみたいですね。

癒着したのが木製の化粧板の塗装なので、フィギュアの塗装とは塗料が違うでしょう。だから癒着しても張り付くだけだったのかもしれませんね。とはいえ、家具などに使われている塗料だってものによって使われているものは違うでしょうし、張り付くだけでなく塗装が溶けてしまう場合もあるかもしれません。塗装されているものには長期間接触させておかない方が良いでしょう。

PVC以外は大丈夫っぽい?

この塗装面との長期間接触による塗装の癒着というのは、経験上PVCしか起こらないように思えます。

画像はSDXの騎士ガンダム。
画像の木製ニス仕上げ土台のケース(ダイソーで購入)に何年も飾ったままになっていたのですが、こちらは足裏が何ともないです。


この騎士ガンダムの脚は塗装されていますがダイキャスト製だから、なのかな?

PVCのクリアーカラー塗装の溶けだし・退色

PVCに塗られたクリアーカラーはどうにもできない経年劣化が起きる場合があります。

クリアーカラーの溶けだし


これはまたもや「電脳戦機バーチャロン」、コトブキヤのワンコイングランデのフェイ・イェン(ハイパーモード)。
本来これはスタンドの上にきちんと真っすぐに乗せられるのですが、曲がった状態で乗って不格好な写真ですみません。というのも、触りたくないからです。


脚のゴールド部分、クリアーカラーが溶けだしてしまっています。このフィギュアのゴールドは、メタリック塗料の上からクリアーカラーを重ねるという塗装がされています。(近頃だどキャンディ塗装とか呼ばれるヤツ)
このクリアーカラーが溶けだしてしまっていて、下地のメタリック塗料は無事のようです。


脚部以外のゴールドはどうかと言うと、頭部(おさげ除く)と胴体は何年も前の時点でクリアーカラーが溶けだしました。仕方が無いのでその時、溶けた塗料を拭きとりました。そのため頭部と胴体は淡いゴールドになっています。
先のコトブキヤのプラモのテムジンを組み終えた時、すでにこのフェイイェンが飾ってあったケースに一緒に入れたのですが確かその時点で頭部と胴体の塗装は溶けだしていた記憶があります。

ワンコイングランデのバーチャロンが発売されたのは2006年4月、プラモのテムジンが2009年3月発売だったようです。テムジンは買ってからそんなに時間を経ずに組み立てた記憶があるので、せいぜい3年から4年でフェイイェンの頭部と胴体の塗装は既に溶けだしていた事になります。
ただ、その時点では脚部の塗装は無事でした。今回この記事を書くにあたってその頭部と胴体の塗装の事を書こう思ってケースから取り出したら、脚部の塗装が溶けている事に気が付いた次第です。なので脚部の塗装がどのくらいの時間を経て溶けだしたかは不明です。

ちなみに、スカートもPVCなんですがここのゴールドの塗装は今でも何ともありません。不思議ですね。

PVCでなければ大丈夫


頭のおさげはPVCではなく多分ABS製。こっちは塗装は全く何ともありません。クリアーカラーの溶けだしが起こるのはPVC特有の現象だと思います。

軟質PVCのクリアーカラー塗装の退色


これは海洋堂の特撮リボルテック、アイアンマンマーク7です。映画「アベンジャーズ」に登場。


腹部と手の甲の板状のパーツだけ色が退色してしまっています。この腹部と手の甲は可動の妨げにならないようにかなり柔らかいPVC製。ここだけが塗装が退色しています。

退色なのか?溶けだしなのか?

記憶が曖昧なんですが、購入して長く見ても1年も経たずに腹部は退色していたように思えます。しかしその時点では手の甲は退色していなかったように記憶しています。

この記事で腹部の事を書こうと取り出してみたら、手の甲も退色しているのに気が付いた次第。ビニールの袋に入れて保管しており、その袋の内側に薄っすら赤い色がついていました。そうなると退色ではなく塗装が溶けだしたのかもしれません。ただ、溶けだしたにしては袋の内側に付着している塗料が少ないですし、腹部の退色時に塗料がどこかに付いてしまったり塗装を拭きとった記憶もありません。
うーん、よく分かりませんね。

PVCのクリアーカラー塗装の劣化も、ものによって異なる

フェイイェンの方は同じPVCでも塗装が溶けだしたタイミングが部分で異なっていますし、スカートだけは今でも無事。アイアンマンの方は軟質PVCだけ退色という法則性が見て取れます・・が、このアイアンマンの塗装が無事なPVC部分とフェイイェンの溶けだした部分のPVC部分て、触った感じの硬さは同じくらいのように思えます。
一概に「フニャフニャの柔らかいPVCだけがクリアーカラーの退色が起こる」とも言えないですし、「特別柔らかくなければPVCでもクリアーカラーが劣化しない」とも言えないわけですね。

いずれにしても、防ぐ方法は無さそうです。残念ながら。

PVCの表面のベタ付き

PVC製のフィギュアは時間が経つと表面にベタ付きが発生する事があります。塗料がベタつくわけではなく、ベタベタした透明な物体が表面に発生するという感じです。
これについては以前に別の記事で書いていますのでそちらをご覧ください。⇒PVC製フィギュアのベタつきをダヴで洗ってみました

防げる悲劇は防ぎましょう

「形あるものいつかは壊れる」とは言います。経年によって変色する事は避けられませんが、蛍光灯の近く、あとは直射日光の当たる場所を避けるようにすれば不自然な変色は防げるはず。
塗装の癒着も、それを引き起こすものを接触させないようにすれば防げます。防げるものだけでも防ぎましょう。

材質の違いによる経年変色の違いや、クリアーカラーの劣化は残念ながらどうにもなりませんね。最初から「一定期間しか持たない(かもしれない)」と考えるしかなさそうです。

PVC(塩ビ)にアクリル塗料やエナメル塗料は使ってはいけないという記事を書いた時にも思いましたが、完成品フィギュアとして多く使われているPVCという材質はやっぱりクセモノだなと感じます。
例えば同じ色でも部分によってPVCだったりABSだったり材質が異なる場合は、それは成型色のままではなく塗装という仕様にしないといけない前提で商品を設計するとか、メーカーの方が考えてくれれば良いのですけど。流石にそんな地味な部分にコストや手間はかけてはくれませんよね。

以上、完成品フィギュアやプラモなどの経年劣化のお話でした。

※関連記事

通販サイト 比較とおすすめ【フィギュアの買い方】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)「メールアドレス」「名前」「ウェブサイト」は必須入力ではありません。